杏仁水(読み)キョウニンスイ

デジタル大辞泉 「杏仁水」の意味・読み・例文・類語

きょうにん‐すい〔キヤウニン‐〕【×仁水】

杏仁油をとったあとの杏仁のかすに水を加え、蒸留して得られる無色透明の揮発性の液。独特の芳香があり、せき止め・うがい薬などに用いる。

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精選版 日本国語大辞典 「杏仁水」の意味・読み・例文・類語

きょうにん‐すいキャウニン‥【杏仁水】

  1. 〘 名詞 〙 杏仁に水を加え、蒸留してつくった薬液。芳香のある無色透明の揮発性の液で、咳、吐き気などに有効。
    1. [初出の実例]「今杏仁水でも飲めば四時前には屹度癒るに極って居るんだが」(出典:吾輩は猫である(1905‐06)〈夏目漱石〉二)

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百科事典マイペディア 「杏仁水」の意味・わかりやすい解説

杏仁水【きょうにんすい】

アンズ種子からとる杏仁油を除いたものを水蒸気蒸留し,留液にアルコールと水を加えたもので,苦味があり,芳香がある。鎮咳(ちんがい)薬去痰薬として用いる。多量に服用すると青酸中毒をおこす。
→関連項目アンズ(杏)苦扁桃

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「杏仁水」の意味・わかりやすい解説

杏仁水
きょうにんすい

バラ科アンズ (杏)の種子 (薬方生薬の杏仁) を砕いて圧搾し,水蒸気蒸留してからエタノール,水を加えて調整したもの。無色ないしは微黄色透明な液体で,ベンズアルデヒド臭と特異な味がある。ベンズアルデヒドシアンヒドリンを含む。鎮咳去痰のためにセネガシロップ,アンモニア・ウイキョウ精などと合剤にして内服する。大量の服用によりシアン (青酸) 中毒を起すことがある。

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