板谷峠(読み)イタヤトウゲ

デジタル大辞泉 「板谷峠」の意味・読み・例文・類語

いたや‐とうげ〔‐たうげ〕【板谷峠】

山形県南部、吾妻山北麓の峠。標高755メートル。米沢藩の参勤交代路として利用された。直下奥羽本線トンネルが通る。

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精選版 日本国語大辞典 「板谷峠」の意味・読み・例文・類語

いたや‐とうげ‥たうげ【板谷峠】

  1. 福島市から米沢市に通じる山形県南端部の峠。吾妻山の北のふもとに位置し、近世初期、上杉氏が、ここで江戸往来交通を取り締まった。明治一三年(一八八〇万世大路ができて廃道となった。

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改訂新版 世界大百科事典 「板谷峠」の意味・わかりやすい解説

板谷峠 (いたやとうげ)

山形県米沢市の南東部,米沢市と福島市を結ぶ奥羽山脈越えの峠。標高755m。江戸時代には米沢藩の江戸参勤にも利用され,板谷には板谷御殿が設置されていた。1881年,北方にある栗子峠経由の万世大路(ばんせいおおじ)(現,国道13号線)が開通した後は衰退した。99年峠付近に奥羽本線が開通したが,板谷越えは急こう配(平均33/1000)で多雪地帯でもあるため同線最大のネックであった。1968年には改良工事が完了し輸送力は増強された。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「板谷峠」の意味・わかりやすい解説

板谷峠
いたやとうげ

福島市と山形県米沢市(よねざわし)との間にある板谷街道米沢街道)の峠。標高755メートル。鉢森(はちもり)山の南側に位置し、1850年(嘉永3)に米沢藩が開いた峠で、福島城下を経て江戸へ行く最短コースであり、米沢藩の参勤交代路に利用された。板谷(米沢市)には御殿が置かれ、米沢藩主の宿所にあてられた。1899年(明治32)奥羽線がこの峠の直下を通って開通した。

[安田初雄]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「板谷峠」の意味・わかりやすい解説

板谷峠
いたやとうげ

福島・山形両県境の吾妻山北麓にある峠。標高 755m。往時の江戸往来の要衝。 16世紀後半 (天正年間) に福島と米沢を連絡する板谷峠越えの道路が造られた。 1881年,やや北方に位置する栗子峠越えの万世大路の完成により,板谷峠越えは廃道となった。 99年奥羽本線がこの峠に開通し,急勾配と豪雪対策のトンネル,雪おおい,防雪柵などが設置された。

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百科事典マイペディア 「板谷峠」の意味・わかりやすい解説

板谷峠【いたやとうげ】

山形県米沢市南東部,奥羽山脈中の峠。標高737m。天正年間(1573年―1592年)に開かれ,福島と米沢を結び米沢藩の江戸往来などに利用されたが,1881年北の栗子峠に万世大路ができ廃道となった。1899年奥羽本線が開通,トンネルで通過するが,同線最大の急勾配(38/1000)のためスイッチバックで登った。1990年,山形新幹線工事に伴い,スイッチバック駅は廃止された。

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