四訂版 病院で受ける検査がわかる本 「栄養アセスメント蛋白」の解説
栄養アセスメント蛋白(プレアルブミン、レチノール結合蛋白)
基準値
プレアルブミン:20~40mg/dℓ
栄養状態の把握に有用な栄養アセスメント蛋白
栄養アセスメント蛋白とは、生体の栄養状態を評価する蛋白のことです。従来は、アルブミン(→参照)、コレステロール(→参照)、ヘモグロビン(→参照)などが用いられていましたが、これらは半減期が長く(例えばアルブミンは約20日)、現在あるいは直近の栄養状態を正確に反映していません。
そこで最近では、半減期の短い蛋白であるプレアルブミンやレチノール結合蛋白(RBP)が適切な指標として用いられるようになり始めました。プレアルブミンの半減期は約2日、レチノール結合蛋白は約0.5日です。
プレアルブミンとは、血清蛋白分画の電気泳動法(→参照)で、アルブミンよりも少し陽極側に泳動されるところからついた名前ですが、最近ではトランスサイレチン(TTR)とも呼ばれています。
術後の感染症の発症予防などに重要
栄養アセスメント蛋白は、現在あるいは直近の栄養状態を鋭敏に反映しています。外科的手術での栄養状態の把握は、術後の感染症の発症予防、退院時期の判定に重要です。したがって、これからはこれらの栄養アセスメント蛋白による栄養管理が日常的になると思われます。
ただし、これらの栄養アセスメント蛋白は、組織の炎症や破壊でも低下するため、炎症のマーカーであるCRP(→参照)を同時に測定し、これが基準値である場合には、栄養アセスメント蛋白が正確に栄養状態を反映していると考えられます。
疑われるおもな病気などは
◆低値:低栄養状態、炎症性疾患、肝障害、甲状腺機能亢進症など
医師が使う一般用語
「プレアルブミン」「アールビーピーもしくはレチノールけつごうたんぱく」
出典 法研「四訂版 病院で受ける検査がわかる本」四訂版 病院で受ける検査がわかる本について 情報