ね‐ぬけ【根抜】
- 〘 名詞 〙
- ① 根が抜けること。また、根から抜くこと。
- [初出の実例]「壺菫土のねぬけやほり出し〈正賀〉」(出典:俳諧・崑山集(1651)三春)
- ② 徹底していること。また、徹底すること。
- [初出の実例]「このさくしゃをねぬけのぐにんあくにんのぐゎちとなづけたや」(出典:評判記・難野郎古たたみ(1666頃)序)
- ③ 最古、最上の陶器や道具類などをいう。
- [初出の実例]「孔子のむしろ太王の杖などはいづれも周の時代の物なれば、ねぬけとは申がたし」(出典:仮名草子・智恵鑑(1660)二)
- ④ 唐津焼の一つ。室町初期、佐賀県東松浦郡の岸岳西麓にあった窯で焼いたものといい、土は白色または赤色、釉は鉛色を帯び、高台内に縮緬皺のあるもの。ねぬき。
- ⑤ 瀬戸茶入の一つ。初代藤四郎作。土は鉛土、地塗りは薄赤い柿色、釉は栗色で、その上に梨月薬または茶薬という挽き茶色の泡立った釉溜りがあるもの。根抜古瀬戸。
- [初出の実例]「根抜(ネヌケ)と云は古き事根の抜たると云事なり。茶入は手あつに作りたるを云」(出典:万宝全書(1694)六)
ね‐ぬき【根抜】
- 〘 名詞 〙
- ① 植物を根のついたまま土の中から引き抜くこと。
- [初出の実例]「孟宗竹を根抜(ネヌ)きにするとは無論加減の変り居て」(出典:今弁慶(1891)〈江見水蔭〉発端)
- ② 以前からその状態であったこと。はえぬき。
- [初出の実例]「いやいや根(ネ)ぬきの法華でなければ信心うすし」(出典:浮世草子・懐硯(1687)四)
- ③ =ねぬけ(根抜)④
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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