江見水蔭(読み)エミスイイン

デジタル大辞泉 「江見水蔭」の意味・読み・例文・類語

えみ‐すいいん【江見水蔭】

[1869~1934]小説家本名忠功ただかつ岡山の生まれ。硯友社けんゆうしゃ同人。大衆文学先駆者。著「女房殺し」「炭焼の煙」など。

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精選版 日本国語大辞典 「江見水蔭」の意味・読み・例文・類語

えみ‐すいいん【江見水蔭】

  1. 小説家。本名忠功硯友社同人。大衆文学の先駆者。著作女房殺し」「自己中心的明治文壇史」など。明治二~昭和九年(一八六九‐一九三四

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20世紀日本人名事典 「江見水蔭」の解説

江見 水蔭
エミ スイイン

明治・大正期の小説家



生年
明治2年8月12日(1869年)

没年
昭和9(1934)年11月3日

出生地
岡山県岡山市壱番町

本名
江見 忠功(エミ タダカツ)

別名
別号=怒濤庵,水蔭亭雨外,半翠隠士

経歴
明治14年軍人を志して上京するが、文学に関心を抱き、21年硯友社同人に。22年「旅絵師」を発表して作家生活に入る。25年江水社をおこし、文芸誌「小桜緘」を創刊。27年中央新聞に入社、「電光石火」などの軍事短編小説を連載。以後読売新聞、神戸新聞記者を経て、33年博文館に入り、「太平洋主筆、「少年世界」主筆もつとめた。35年退社。のち冒険小説、探検記を手がけ、41年成功雑誌社の「探検世界」主筆となり、同誌主宰の雪中富士登山に隊長として参加。主な作品に「女房殺し」「炭焼の煙」「絶壁」「新潮来曲」などがある。ほかに「自己中心明治文壇史」(昭2)があり、明治文学史の貴重な資料となっている。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「江見水蔭」の意味・わかりやすい解説

江見水蔭
えみすいいん
(1869―1934)

小説家。本名忠功(ただかつ)。岡山市に生まれる。上京して杉浦重剛(しげたけ)の称好塾に学び、巌谷小波(いわやさざなみ)、大町桂月(けいげつ)を知る。1888年(明治21)硯友社(けんゆうしゃ)同人。92年江水社をおこし『小桜縅(こざくらおどし)』を創刊、田山花袋(かたい)、太田玉茗(ぎょくめい)を世に送った。その後、『中央新聞』『読売新聞』『太平洋』『二六(にろく)新報』などに拠(よ)り、ジャーナリスティックな活動をするかたわら創作も続けた。代表作には『女房殺し』(1895)、『新潮来曲(いたこのきょく)』(1897)等を所収する『水蔭叢書(そうしょ)』(1910・博文館)のほか、貴重な文壇資料『自己中心明治文壇史』(1926~27)がある。

[小野寺凡]

『『明治文学全集22 硯友社文学集』(1969・筑摩書房)』


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百科事典マイペディア 「江見水蔭」の意味・わかりやすい解説

江見水蔭【えみすいいん】

明治期の小説家。本名忠功(ただかつ)。岡山生れ。杉浦重剛の称好塾で巌谷小波(いわやさざなみ)らと知り合い,その紹介で硯友社に属したが,のち江水社を興し田山花袋らに発表の機会を与えた。通俗的な作品が多い。小説《女房殺し》のほか《自己中心明治文壇史》が文学史資料として重要。
→関連項目高瀬文淵

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「江見水蔭」の解説

江見水蔭 えみ-すいいん

1869-1934 明治-昭和時代前期の小説家。
明治2年8月12日生まれ。江見鋭馬の子。巌谷小波(いわや-さざなみ)を知り,硯友(けんゆう)社にはいる。明治25年江水社を結成。「女房殺し」「泥水清水」などが好評をえた。昭和9年11月3日死去。66歳。備前(岡山県)出身。本名は忠功(ただかつ)。著作に「自己中心明治文壇史」など。

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367日誕生日大事典 「江見水蔭」の解説

江見 水蔭 (えみ すいいん)

生年月日:1869年8月12日
明治時代;大正時代の劇作家;小説家
1934年没

出典 日外アソシエーツ「367日誕生日大事典」367日誕生日大事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の江見水蔭の言及

【文士劇】より

…素劇(そげき)ともいう。1890年(明治23)東京小石川の佐藤黄鶴邸で,尾崎紅葉,江見水蔭(えみすいいん)(1870‐1934),巌谷小波(いわやさざなみ)らが,水蔭作の史劇を上演した硯友社(けんゆうしや)劇が最初。1905年には歌舞伎座で,杉贋阿弥(がんあみ),岡鬼太郎,岡本綺堂,小出緑水,岡村柿紅,伊坂梅雪,栗島狭衣(さごろも)らが〈若葉会〉を組織して上演し,世評を招いた。…

※「江見水蔭」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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