森田流(読み)モリタリュウ

デジタル大辞泉 「森田流」の意味・読み・例文・類語

もりた‐りゅう〔‐リウ〕【森田流】

能の笛方流派の一。徳川家康秀忠、紀州侯に仕えた森田庄兵衛光吉を流祖とする。

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精選版 日本国語大辞典 「森田流」の意味・読み・例文・類語

もりた‐りゅう‥リウ【森田流】

  1. 〘 名詞 〙 能楽囃子方のうち笛方の流派。徳川家康・秀忠に仕え、観世太夫黒雪に取り立てられて、その座付となり、後に紀伊藩の抱え役者となった森田庄兵衛光吉を祖とするもの。

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改訂新版 世界大百科事典 「森田流」の意味・わかりやすい解説

森田流 (もりたりゅう)

能楽笛方流儀の一つ。能楽協会には40名弱の役者が登録され,一噌(いつそう)流と勢力を二分している。芸系は関西と関東系にほぼ分けられるが,これは,江戸時代に地方諸藩の御抱えとして独立した家がおこり,家ごとに譜や指遣いに特徴をもっていたためで,それが今日にも大きく影響している。宗家は観世流の座付(所属)であったが明治以後絶え,現在はシテ方観世流宗家の預りになっている。森田流は一噌流ほど強く息を吹きこまず柔らかく吹く。ことに関西系は,さし指や添え指を多用した装飾的音色の変化に特徴がある。神楽かぐら)の地が他流より一クサリ短いといった細かい点以外は,藤田流春日(しゆんにち)流に近い音楽構造をもっている。黄鐘(おうしき)の指を他流より1穴低くとるが,これは明治以降のことらしい。この流儀を千野(ちの)流,玄笛(げんてき)流ともいうのは,檜垣本(ひがいもと)彦兵衛-千野与一左衛門-牛尾玄笛-流祖森田庄兵衛(1597-1632)という芸系によるためである。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「森田流」の意味・わかりやすい解説

森田流
もりたりゅう

能楽笛方の流儀名。徳川家康に仕えた庄兵衛光吉 (?~1632) を初代とし,1906年9世初太郎光俊没後宗家は断絶し,シテ方観世流宗家が預っている。関西に流勢が多い。

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