藤田流(読み)フジタリュウ

デジタル大辞泉 「藤田流」の意味・読み・例文・類語

ふじた‐りゅう〔ふぢたリウ〕【藤田流】

能の笛方流派の一。江戸初期、尾張徳川家に仕えた藤田清兵衛重政を流祖とする。主として名古屋中心活動

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精選版 日本国語大辞典 「藤田流」の意味・読み・例文・類語

ふじた‐りゅうふぢたリウ【藤田流】

  1. 〘 名詞 〙 能楽囃子の笛方の流派の一つ。初代藤田清兵衛重政(一六〇〇‐七七)は、近世、後水尾院のとき、京都で禁裏御能に出演、近衛応山公の知遇を得て一流を立て禁裏御能をつとめた。のち尾州徳川家に仕え、代々名古屋に居住したが、明治になって東京に進出した。

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改訂新版 世界大百科事典 「藤田流」の意味・わかりやすい解説

藤田流 (ふじたりゅう)

能楽笛方の流派名。下川丹斎弟子で禁裏御用を務め,のちに尾州徳川家に仕えた藤田清兵衛重政(1600-77)を流祖とする。現宗家は11世藤田六郎兵衛(ろくろびようえ)(1953- )。能楽協会には5名の役者が登録され,主として名古屋で活躍している。この流儀の音楽構造は森田流に近いが,《猩々乱(みだれ)》の譜が各段異なる,獅子でトリル奏法(装飾音の一種)を用いる,狂言来序(らいじよ)を合ワセ吹キするなど独自な点が多い。その他,アシライの吹出し箇所が他流と異なり,次第の地取(じとり)にもアシライを吹く,中入(なかいり)で送リ笛と知ラセ笛の両方を吹くなど,アシライの笛にも特徴がある。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「藤田流」の意味・わかりやすい解説

藤田流
ふじたりゅう

能楽笛方の流儀名。流祖は禁裏御用をつとめ,のち尾張徳川家に仕えた藤田清兵衛重政 (慶長5〈1600〉~延宝5〈77〉) 。代々名古屋に居住。近代の宗家は9世清兵衛重孝で,その後は幸清 (こうせい) 流小鼓の田鍋惣太郎の次男豊二郎が養子となり,10世六郎兵衛重明を襲名。現宗家は 10世の孫で,11世六郎兵衛 (1953~ ) 。

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