楽園神話(読み)らくえんしんわ(その他表記)paradise myth

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「楽園神話」の意味・わかりやすい解説

楽園神話
らくえんしんわ
paradise myth

旧約聖書エデンの園に代表される,そこで人間が至福の生活をおくることのできる土地や島,時代などのことを物語った神話。その一つのタイプは,堕落する以前の人類が住んだとされる楽園もしくは楽園的時代に関するもので,エデンの園の話のほかに,ギリシア神話クロノスが支配した時代に,地上で苦しみを知らず,大地から無尽蔵に生じる食物を食べ,楽しい饗宴に明け暮れる生活をおくったという黄金種族の話などがその典型的な例である。またギリシア神話のエリュシオンや至福者の島,北欧神話バルハラなどのように,神の意にかなう生涯をおくって死んだ人々の魂がそこに迎えられる楽園に関する神話も世界の各地に見出される。これらとまた別の類型の楽園神話は,ギリシア神話で世界の北のはてで至福な生活をおくるとされるヒュペルボレオイ人の国や,中国の桃源郷メソポタミア神話のウトナピシュチムとその妻の住む島などのような,この世界のどこかにある特別しあわせな人々の住む楽園に関するもので,第4には,ユダヤキリスト教の神の国や,北欧神話のラグナレクのあとに到来するとされる新世界など,将来その実現が待望される楽園に関する神話がまた別の類型として区別される。ギリシア神話のヘスペリデスの園や,カリュプソの島,メソポタミア叙事詩に出てくる女神シドリが住む太陽神シャマシュの園なども,人間でない神的存在の住む場所だが,楽園の一種とみなすことができよう。

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