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標準報酬 ヒョウジュンホウシュウ

大辞林 第三版の解説

ひょうじゅんほうしゅう【標準報酬】

社会保険で、保険料や保険給付額を算定するための基準として、便宜的に実際の報酬額の代わりに用いる金額。

出典|三省堂大辞林 第三版について | 情報

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

標準報酬
ひょうじゅんほうしゅう

実際の報酬とは別に、実際の報酬をいくつかの等級に区分し、この区分された仮定的な報酬を標準報酬という。これに各被保険者の実際の報酬を当てはめ、いずれかの等級に属させて、その標準報酬を基礎として保険料および保険給付額を算定することを標準報酬制という。被用者を対象とした社会保険の保険料、保険給付額は、実際の報酬に応じて定めることが公平の見地からみて望ましい。しかし、実際の報酬には恒常的なものもあれば臨時的なものもあり、その額も毎月変動することもあり、現実の報酬をそのまま保険料、保険給付額の算定の基礎にすると事務処理が煩雑となり、事務量が増大し、運営の面で支障を生ずるおそれがある。そこで、多数の被保険者を対象とし、事業運営を円滑かつ迅速に行うために標準報酬制が健康保険、厚生年金保険などで便宜的に採用されている。
 報酬の範囲は、賃金など労務の対象であれば、名称のいかんを問わない。ただし、臨時に受けるもの、3か月を超える期間ごとに受けるもの(いわゆるボーナス)は除かれている。標準報酬は、毎年8月1日現に使用されている事業所において同日前3か月間に受けた報酬の総額をその期間の月数で除して得た額を報酬月額として、その標準報酬はその年の10月より翌年9月までの標準報酬とする。標準報酬は、社会保険の特質を考慮して上限と下限とが定められている。保険料額は、標準報酬月額に各制度の保険料率を乗じて算定される。保険給付額は、標準報酬に一定の給付率を乗じて算出されることが多い。報酬の範囲から除かれたボーナスには大きな企業規模間格差がある。従業員500人以上の大企業と比べ、中企業は4分の3、小企業は2分の1、零細企業は3分の1程度である。ボーナスを除くことは被保険者の所得能力を正しくとらえることにはならず、社会保険の保険料は能力に応じて負担するという原則に反し、中小企業労働者の過大負担となっている。
 ところで、同じ被用者を対象とした社会保険であっても雇用保険、労働者災害補償保険においては、被保険者の所得能力を正しく反映する実報酬の総額(報酬、ボーナス、超過勤務手当などを含めたすべての労働の対価)を報酬の範囲とする総報酬制をとっている。[横山和彦]

出典|小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について | 情報 凡例

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