標準職業分類(読み)ひょうじゅんしょくぎょうぶんるい(英語表記)Standard Classification of Occupation

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

標準職業分類
ひょうじゅんしょくぎょうぶんるい
Standard Classification of Occupation

人口統計、社会統計、経済統計などの職業分類に共通の基準を提供し、職業に関する国内外および世界における同種の統計間の比較を可能にし、あるいは職業に関する統一的理解に基づく情報交流を促進することを目的として、系統的基準に基づいて作成されている職業の種類に関する分類体系の総称。
 国際労働機関(ILO)は1957年に、国際労働統計家会議において職業の大・中・小分類に関する最終草案の決議を行い、その後にさまざまな議論を経て、1966年の会議において正式の「国際標準職業分類」International Standard Classification of Occupation(ISCO-66)が承認された。そのあと、1988年の改訂を経て、今日の2008年改定版(ISCO-08)となっている。職業を分類するにあたっては、まず、職業をどのような内容のものと理解して分類基準を設定するかが先決問題となるが、それについてISCOにおいては、次のような考え方が前提とされている。すなわち、職業とは、個人の属する経済活動部門または従業上の地位とは無関係に、その人のもっている手職、専門あるいは仕事の型である、とする。そして、この基本的な考え方に従って、分類表は、九つの大分類項目(軍隊―兵員を入れると10項目)の下に、中分類(2桁(けた)番号)、小分類(3桁番号)、を設けるという構成をとっている。
 日本では、1953年(昭和28)に行政管理庁統計基準部職業分類専門部会の手によって職業分類の草案が作成され、その後の国勢調査での経験を踏まえ、またILOによるISCO草案にも準拠する形で、1960年に正式の「日本標準職業分類」が制定された。ここで、分類の対象としての職業とは、個人が継続的に遂行している収入を伴う仕事であるとされ、分類の基準は仕事の種類であって、事業の種類(産業)や従業上の地位(社会的地位)ではない、とされたことは、ISCOにおけるのと同じである。その具体的な基準としては、(1)必要とされる知識や技能の程度、(2)提供されるサービスの種類、(3)使用する原材料、道具や設備の種類、(4)個々の職業に従事する人数の大きさ、などが考慮される。1960年の制定以降、1970年、1979年、1986年、1997年(平成9)と四度にわたって改訂が行われ、1997年改訂分類では、大分類の10項目、中分類の81項目および小分類の364項目の構成となっている。
 この職業分類は、各種の統計調査での分類基準として用いられる。2005年(平成17)国勢調査では1997年改訂職業分類を基準に、10項目の大分類、61項目の中分類、274項目の小分類に再編成されたものが用いられており、「平成19年就業構造基本調査」では、同じ1997年改訂職業分類を基準に同調査に適合するように集約・編成し直され、大分類として10項目に分けられた職種が、次段階の分類として合計40職種に分けて構成されている。[高島 忠]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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