経済統計(読み)けいざいとうけい(英語表記)economic statistics

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

経済統計
けいざいとうけい
economic statistics

社会現象に関する統計のうち経済諸変数に関する統計の総称。その範囲には必ずしも明確な定義はないが,一般に国民経済の立場に立ち,直接に国民経済の動向を表わすものに限定されることが多く,社会会計によってその大枠が制約を受ける傾向にある。たとえば毎年の生産,所得を表わす国民所得統計,一時点における物的資源の存在量を表わす国富統計,国の予算,決算,中央銀行の資産などを表わす財政金融統計,人口の総数分布などを示す人口統計,その他生産統計,物価統計貿易統計消費統計などがある。また調査したものを直接集計した一次統計と,一次統計をもとに推計した加工統計とに分けられる。近年の計量経済学などの定量分析の発展は,このような経済統計の発達によるところが大きい。

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世界大百科事典 第2版の解説

けいざいとうけい【経済統計】

経済現象を対象として,統計調査によって得られた結果を数字で表現したものをいう。統計調査には全数調査標本調査の二つがある。全数調査はセンサスとも呼ばれ,たとえば国勢調査では全国の全世帯,事業所統計では全事業所というように,対象となる客体をすべて網羅している。全数調査は国の基幹となる統計であるが,多くの経費や時間を要するので,毎年ではなく5年とか3年おきの調査が多い。標本調査は母集団の中から比較的少数の標本を抽出し,その調査結果をもって全体を代表させるもので,経済統計の多くはこれに該当する。

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大辞林 第三版の解説

けいざいとうけい【経済統計】

経済現象を統計調査によって数字で表したもの。国民所得統計・物価統計・工業統計など。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

経済統計
けいざいとうけい
economic statistics

各種の経済活動や経済現象を観測し、それらのある特性に関連して収集、整理、分析された数量的データを総称する場合と、経済的事象の理論や予測の基礎となるように、それに関する数量的データを収集、整理、分析し、さらに評価することについての知識の体系、つまり、経済統計学をさす場合とがある。
 経済に関する数量的データの総称としての経済統計は、調査目的の違いから直接統計と間接統計とに区分される。直接統計は、行政や企業経営の資料として統計的結果を得ることを直接の目的として調査されるものである。これに属する日本の経済統計としては、政府および地方公共団体が直接作成する指定統計が中心であり、労働力調査、就業構造基本調査、賃金構造基本統計調査、民間給与実態調査などに基づく労働・賃金統計、農林業センサス、漁業センサス、農業経営統計調査、工業統計調査、生産動態統計調査、建設工事統計調査、建築着工統計調査、自動車輸送統計調査、商業統計調査、商業動態統計調査、百貨店販売統計調査などに基づく産業別統計、事業所・企業統計調査、法人企業統計調査などに基づく企業統計、全国物価統計調査、小売物価統計調査などに基づく物価統計、家計調査、全国消費実態調査、農業経営統計調査などに基づく家計に関する統計などに分類される。これに対し間接統計は、統計を得ること自体を目的としてなされる調査に基づくものではなく、おもに日常業務のなかで生ずる情報に基づいて、定期的に業務の結果を調査、報告する目的で整理、分析されるものであるところから業務統計ともよばれる。日本の経済統計でこれに属するものとしては、日本外国貿易統計(通称、通関統計)、輸出入信用統計などの貿易統計、通貨発行・流通高統計、各種金利統計などの金融統計、国や地方の予算・決算統計、財政投融資統計などの財政統計をあげることができる。
 これらの統計は、それぞれに固有の対象と独自の概念や定義に基づいて、経済活動の特定の側面を数量的に把握するものであるが、経済活動は相互に関連をもってなされるものであるから、これらの統計を基礎資料として系統的に整理、統合し、国民経済全体の姿を有機的に理解することも必要となる。そのような観点から作成されるものが国民経済計算であり、それに属する統計表あるいは分析表として、国民所得統計、産業連関表、資金循環表、国民貸借対照表、国際収支表がある。
 経済データに基づく理論形成や分析のための知識の体系としての経済統計においては、標本調査法などの統計的測定に関する理論、統計データの表示や集約に関する方法、それらを用いてみいだされる経済法則の統計的規則性の研究、統計的事実に基づく経済理論の検証と再構成、確率論的数量モデルに基づく予測などがおもな内容となる。この意味での経済統計については、その研究対象と方法において計量経済学と重複するところが多い。[高島 忠]

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