権八(読み)ゴンパチ

精選版 日本国語大辞典 「権八」の意味・読み・例文・類語

ごんぱち【権八】

  1. [ 1 ]
    1. [ 一 ]しらいごんぱち(白井権八)
    2. [ 二 ] 歌舞伎所作事。清元。福森喜宇助作詞。清沢万吉作曲(一説に初世延寿太夫の妻お悦)。本名題其小唄夢廓(そのこうたゆめもよしわら)」。文化一三年(一八一六江戸中村座初演。白井権八が鈴ケ森で処刑される寸前に、くるわを抜け出てきた小紫がかけつけ助けるところで目がさめる権八の夢の場と、小紫が権八を励まし前髪を剃(そ)り落とす髪梳きの場からなる。通称「権上(ごんじょう)」と呼ばれる上段が有名。
  2. [ 2 ] 〘 名詞 〙 ( 芝居で、白井権八が幡随院長兵衛宅の食客であったところから ) 居候(いそうろう)、また、食客をいう。
    1. [初出の実例]「とんと身を落せば食客(そうろう)の権八さんとなる事」(出典洒落本・辰巳婦言(1798)発語)

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世界大百科事典(旧版)内の権八の言及

【其小唄夢廓】より

…1816年(文化13)正月江戸中村座初演の《比翼蝶春曾我菊(ひよくのちようはるのそがぎく)》の二番目序幕,二幕目が後世に残ったもので,その地に使われた清元の浄瑠璃名題が狂言の名題として伝わった。通称《権八(ごんぱち)》。清沢万吉作曲。…

※「権八」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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