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権化 ごんげ

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

権化
ごんげ

神,あるいは仏,菩薩が衆生の苦悩を救うためにこの世にかりに種々の姿を現したり,物質的なものをこの世に現じたりすること。インドヒンドゥー教では,神,特にビシュヌ神が,この世に動物あるいは人間などの姿となって現れ,人を救うという信仰が行われている。

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デジタル大辞泉の解説

ごん‐げ【権化】

仏・菩薩(ぼさつ)が人々を救済するために、この世に仮の姿となって現れること。また、その仮の姿。化現(けげん)。権現(ごんげん)。化身。⇔実化
ある抽象的な特質が、具体的な姿をとって現れたかのように思える人やもの。「美の権化」「悪の権化

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世界大百科事典 第2版の解説

ごんげ【権化】

神仏が衆生を救うために権(かり)に姿をかえて現れること。またはその化身。一般に一神教的な思想と多種多様な信仰形態を調和させ,特定の強力な神仏が種々に顕現するという形で,起源の異なる種々の神格を統一して特定の神仏に帰するという,諸信仰の習合の合理化として現れる。ヒンドゥー教信仰に現れるアバターラAvatāraの訳語として用いる場合は,本体の神は天上界にありつづけ,その体の一部だけを地上に降下させ,それが化身となって活動する――たとえば10の権化をもつとされるビシュヌの第8の権化クリシュナKṛṣṇa(〈黒〉の意)はビシュヌの黒い頭髪を地上に降下させたものとされる――という形で,本体と化身の関係を合理的に説明している観念であることに注意しなければならない。

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大辞林 第三版の解説

ごんげ【権化】

〘仏〙 仏・菩薩などが人々を救うために仮の姿をとってこの世に現れたもの。化現。権現。 ↔ 実化じつけ 「 -のわざにやと人々怪しむ/沙石 2
性質・観念などが人間の形をして現れたかと思われる人。その特性の典型と思われる人。 「悪の-」

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

権化
ごんげ

神や仏、あるいは超自然的存在が、ある目的をもって人間あるいは動物などの姿となり、かりに現れた状態、またその形相をいう。サンスクリット語アバターラavatraの漢訳。化現(けげん)、応現(おうげん)、権現(ごんげん)、示現(じげん)ともいい、権化した形を化身(けしん)という。英語のインカーネーションincarnationにあたり、とくにキリスト教では受肉(じゅにく)、化肉(けにく)、託身(たくしん)と訳す。[坂部 明]

ヒンドゥー教における権化

インドでは古来、神々がこの世に権化するとされる説が根強くある。とくに有名なのは慈悲に満ちたビシュヌ神の権化説で、魚、亀(かめ)、野猪(やちょ)、人獅子(にんじし)、矮人(わいじん)、パラシュラーマ(斧(おの)を持つラーマ)、ラーマ、クリシュナ、ブッダ、カルキの順に10回権化して人間を救うという。ラーマとクリシュナは『マハーバーラタ』『ラーマーヤナ』の二大叙事詩に登場する英雄であり、ブッダは歴史上のゴータマ・ブッダ(釈迦(しゃか))をさし、カルキは未来の悪世に登場して人々を救うという。また一般にインドの神々はウシ、サル、ニワトリ、ヘビなどの動物となって権化するとされる信仰があり、今日までインド人の生活に溶け込んでいる。[坂部 明]

仏教における権化

原始仏教においては、古来からあった神々を認めなかったが、大乗仏教に入ると護法神として徐々に取り入れていった。ゴータマ・ブッダが弟子たちのよりどころとして認めたのは、普遍的な真理としてのダルマ(法)であった。しかし仏滅後、弟子たちはゴータマ・ブッダを永遠の理法が権化したものとみるようになり、いくつかの仏身論が展開されていった。わが国では、神道の神々の本地(ほんじ)は仏(ぶつ)・菩薩(ぼさつ)であるとする本地垂迹説(ほんじすいじゃくせつ)の神仏習合思想が平安時代以後一般化した。[坂部 明]

キリスト教における受肉

神が人類を救うために、神の子としてイエスという人格が現れたとするのを唯一とする。この説はすでにパウロにみられ、その後大論争を経て正統の教義として認められた。[坂部 明]

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世界大百科事典内の権化の言及

【ビシュヌ派】より

…この派では,ビシュヌの化身(アバターラavatāra。権化とも訳される)ということが強調されている。後世有名なのは〈10化身〉説で,それによれば,ビシュヌはこの世に,魚,亀,野猪,人獅子,小人,パラシュラーマ,ラーマ,クリシュナ,ブッダ,カルキとして現れるという。…

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