(読み)ケン

デジタル大辞泉の解説

けん【権】

[名]
他を支配する力。権力。「兵馬のを握る」
物事を行う資格。また、他に対して物事を主張・要求する資格。権利。「参政」「サーブ
「嬢様の聟君を択ぶ―は俺にあるんだ」〈魯庵社会百面相
臨機応変の処置。一時的な手段。
「これを行ふに経(けい)あり。―あり」〈折たく柴の記・下〉
[名・形動]
険(けん)3
おごり高ぶるさま。高慢。権高(けんだか)。
「たださへも―な娘に金をつけ」〈柳多留・一〇〉

けん【権〔權〕】[漢字項目]

[音]ケン(漢) ゴン(呉) [訓]はかり はかる はかりごと
学習漢字]6年
〈ケン〉
はかり。はかりのおもり。「権衡
事の成否をはかり考える。「権謀
他を従わせる力や勢い。「権威権限権力強権執権実権政権覇権
物事にあずかる資格。「権利棄権債権親権人権特権民権利権選挙権
力をもって便法とすること。「権道
〈ゴン〉仮の。臨時の。「権化権現権妻
[名のり]のり・よし

ごん【権】

定員のほかに仮に任じた官位。多く、官位を表す語の上に付けて用いる。権官。「大納言」
「令、正員四人なり。寛平御宇に正二人、―一人となる」〈職原抄・上〉
最上位の次の地位。副(そえ)。「僧正」
「般若寺の観賢僧正と云ふ人、―の長者にてありける時」〈今昔・一一・二五〉
仮のもの。方便であるもの。
「この提婆達多は、大菩薩の―の示現にてもあるべきなれども」〈十善法語・八〉

ごん【権】[漢字項目]

けん

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

大辞林 第三版の解説

けん【権】

( 名 )
他人を従わせる力。権力。 「政治の-をにぎる」
権利。権能。
はかりごと。 「これを行ふに経あり、-あり/折たく柴の記」
( 名 ・形動 ) [文] ナリ 
高慢なこと。権高なこと。また、そのさま。 「たださへも-な娘に金をつけ/柳多留 10
けん」に同じ。 「 -のある眼付が怪しい光を放つた/社会百面相 魯庵
[句項目] 権に借る

ごん【権】

仮のもの。真実ではないもの。 「 -をすてて実じちをとり、仮をさしおいて真をもちゐるこそ/歎異抄」
(官位を表す語の上に付いて)定員外に仮に任じた官位であることを表す語。権官。 「 -大納言」 「 -中将」
(「権」または「権の」の形で、他の語の上に付いて)本来のものに準ずることを表す語。 「 -の北の方」 「 -僧正」

出典 三省堂大辞林 第三版について 情報

精選版 日本国語大辞典の解説

けん【権】

〘名〙
① はかりのおもり。また、はかり。〔孟子‐梁恵王・上〕
② 臨機応変の処置。便宜的な手段。方便。また、一時的なこと。
※随筆・折たく柴の記(1716頃)下「よろしく度(はか)るに事変之権を以てすべし。凡その事、常あり、変(べん)あり。これを行ふに経あり、権あり。先儒のいはく『権者所以達一レ経也』」 〔易経‐繋辞下〕
③ 他人を支配することのできる力。権力。権勢。
※法性寺関白御集(1145か)「官祿余身雖世、素閑承性不権」 〔荀子‐議兵〕
④ 人が当然のこととして自己を主張し、行動することのできる力。権利。
※百一新論(1874)〈西周〉下「譬へば臣は君に対し養を受くべき権あり。君は臣に対して其臣の使令に供するを望むの権あり」
⑤ ある立場の者がその職務上与えられている、何ごとかを行なう権利。権限。
西洋事情(1866‐70)〈福沢諭吉〉二「事を為す可き権と云ふ義あり。即ち罪人を取押るは市中廻方(まはりかた)の権なり」
⑥ (形動) おごりたかぶること。また、そのさま。高慢。見高(けんだか)
※雑俳・柳多留‐一〇(1775)「たださへもけんな娘に金をつけ」
⑦ ⇒けん(険)

ごん【権】

〘名〙
① (実に対して) 仮のもの。臨時のもの。
※菅家後集(903頃)叙意一百韻「未曾邪勝一レ正、或以実帰権」 〔鼠璞‐巻下・権行守試〕
② 仮に任じた官位。権官。多く、官位を示す語の上に付けて用いる。「権大納言」など。
※延喜式(927)一八「凡正員之外、特任権官者、不正権、依位階次
③ 最上位の次の地位。
※今昔(1120頃か)一一「般若寺の観賢僧正と云ふ人、権の長者にて有ける時」
④ 「ごんさい(権妻)」の略。
※ありのすさび(1895)〈後藤宙外〉二「小六を落籍(ひか)せて権(ゴン)の位に直し、赤坂辺に別宅構へて」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

世界大百科事典内のの言及

【度量衡】より


[語義と出典]
 度,量,衡の3文字は順に,長さ,体積,質量を意味し,同時にそれぞれをはかるための道具(ものさし,枡,はかり)や基準を意味する。なお衡と類縁の文字で権(けん)というのもあるが,これは,はかりそのものではなく,分銅のほうを指す。これら4文字をさまざまに組み合わせた語が古くから用いられており,例えば度量という語は,人の心の広さを指すのに用いられ,また他方では度量衡,度量権衡などの語と同義的にも用いられて,〈長さ,面積,体積,質量をはかること,これらの量をはかるための道具や基準,また,それらにかかわる法律的,行政的な制度ないし公共的な協約〉を指すものと解されてきている。…

【はかり(秤)】より

…また長さ,容量の場合と同様に大小2制が存在したことが知られるほか,重量を測るに当たって関係官司に銅製の標準計器を支給する定めであった。令制では地度り(じはかり),銀,銅,穀を測る以外は小制を用いる定めであったが,《延喜式》雑式に,度量権衡は,晷景(きけい)(日影)を測る場合と,湯薬を調合する場合に小制を使用する以外は,官私とも皆大制によることを規定している。これは713年(和銅6)の度量衡の改制によるものであった。…

※「権」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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