樺太犬(読み)カラフトイヌ

デジタル大辞泉 「樺太犬」の意味・読み・例文・類語

からふと‐いぬ【×樺太犬】

樺太サハリン原産の犬。中形で力が強く、性質は温和で、寒さに強い。日本南極観測隊そり引き犬として同行。からふとけん。

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精選版 日本国語大辞典 「樺太犬」の意味・読み・例文・類語

からふと‐いぬ【樺太犬】

  1. 〘 名詞 〙 犬の一品種。肩高五五~七〇センチメートル、体重三五~四五キログラム。毛が一〇~一五センチメートルの長毛型から短毛型まであり、色も白、黒褐色、赤などがある。北極地方でそり引きに用いられた犬からの混血種で、寒さに強く、性質は温和。からふとけん。

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改訂新版 世界大百科事典 「樺太犬」の意味・わかりやすい解説

樺太犬 (からふといぬ)

原産地が樺太(サハリン)の橇(そり)犬。オロッコ,ギリヤーク,それにアイヌなどの原住民族が使っていた橇犬の子孫で,シベリアン・ハスキー,アラスカン・マラムートAlaskan malamute,エスキモー犬などと同じ北方系の犬種である。酷寒地の重労働に耐え,筋骨たくましく,強靱なイヌだけが伝えられたもので,系統繁殖された厳密な純粋種ではない。体格は秋田犬より小,北海道犬より大で,明確な規定はない。日露戦争後,北緯50°以南の南樺太が日本領土となった当時は〈ロスケ犬〉とも呼ばれた。1912年白瀬南極探検隊が連れて行ったのもこのイヌである。また58年第3次南極観測隊によって連れ帰られた〈タロ〉〈ジロ〉の話は有名である。
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犬&猫:ペットの品種がわかる事典 「樺太犬」の解説

からふとけん【樺太犬】

樺太(サハリン)原産の大型犬。寒さに強く、雪の上での作業もこなせるため、そり犬として使われていた。昭和30年代、日本初の南極観測での輸送手段として犬ぞりが選ばれ、樺太犬が使われた。日本映画南極物語」(1983年)に登場したタロ、ジロの品種。

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百科事典マイペディア 「樺太犬」の意味・わかりやすい解説

樺太犬【からふといぬ】

イヌの一品種。ハスキー,ライカなどの極地犬と系統が同じ。肩高60cmほどで毛は長い。サハリン(樺太),北海道北部などで飼われる。寒さに強く,耐乏性にすぐれ,そりを引かせるのに使う。南極探検の際,日本隊に用いられた。

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