出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
…今日では,歌詞と音楽という二分法が一般的であるが,時代や文化によっては,この両者が未分化のままで,歌謡が生みだされることも多いため,文学研究では,この語を拡大して使うこともある。また,日本音楽についての〈歌い物〉と〈語り物〉という現行の二分法からみれば,歌謡は歌い物と重なる面が広いが,定義によっては,語り物の中に多くの歌謡を見いだすことも可能である。したがって,歌謡という現代の表現は,日本音楽については,記紀や《風土記》に始まる古代の歌から,他の古代や中世の歌謡,近世の歌謡,あるいは,仏教歌謡や民謡,そして明治以降の唱歌,軍歌,歌謡曲などを網羅するものと考えられる。…
…このような様式の音楽を一般に〈語り物〉といい,(f)の声明類は日本の語り物音楽の先駆とされる。これに対して(f)以外の声明類の大部分は,〈歌い物〉として区別されることもある。
[楽理]
声明,とくに天台,真言両声明は雅楽と並ぶ伝統的な音楽理論をもつが,解釈しがたい部分や現行の旋律とは食い違ってきた部分もある。…
※「歌い物」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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