デジタル大辞泉
「歪める」の意味・読み・例文・類語
いが・める【×歪める】
[動マ下一][文]いが・む[マ下二]《「ゆがめる」の音変化》
1 いびつにする。ねじ曲げる。「事実を―・める」
「腮―・めてくれん」〈浄・祇園祭礼〉
2 ひどい目にあわせる。いじめる。
「そんな事を言うて―・められなよ」〈伎・韓人漢文〉
3 盗む。ゆすりとる。
「魚籠を―・めうとする野良狐め」〈滑・客者評判記〉
4 女性を自分のものにする。
「この自らめも美しい顔ぢゃ。こいつから―・めうか」〈伎・隅田川続俤〉
ゆが・める【×歪める】
[動マ下一][文]ゆが・む[マ下二]
1 物の形を正しくないようにさせる。ゆがませる。「箱を―・める」「口元を―・めて笑う」
2 心や行いなどを正しくないようにさせる。ゆがませる。「家庭の不和が子を―・める」
3 事柄の正しさを失わせる。「事実を―・めて解釈する」
[類語]折り曲げる・ひん曲げる・ねじ曲げる
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
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いが・める【歪】
- 〘 他動詞 マ行下一段活用 〙
[ 文語形 ]いが・む 〘 他動詞 マ行下二段活用 〙 ( 「ゆがめる(歪)」の変化した語 ) - ① 整った形、状態を曲げる。いびつにする。ゆがめる。
- [初出の実例]「我いがめる心を推なれば恕の正には非」(出典:大学垂加先生講義(1679))
- ② ひどい目にあわせる。いためつける。やりこめる。
- [初出の実例]「此婆(ばば)がいがめてやる」(出典:浄瑠璃・聖徳太子絵伝記(1717)一)
- ③ 盗む。ちょろまかす。ゆすり取る。
- [初出の実例]「オオ、覚えもない和尚様に、三百目いがめる企みぢゃな」(出典:歌舞伎・傾城倭荘子(1784)三)
- ④ 女を自分のものにする。
- [初出の実例]「法師の念力、きゃつをいがめずにはおくまいと」(出典:浮世草子・新色五巻書(1698)五)
ひず・めるひづめる【歪】
- 〘 他動詞 マ行下一段活用 〙
[ 文語形 ]ひづ・む 〘 他動詞 マ行下二段活用 〙 - ① 曲げる。ゆがめる。いびつにする。
- [初出の実例]「弓のそったををしあてて、ためつひつめつする木あり、檠と云ふ」(出典:玉塵抄(1563)四一)
- ② 小さくかがめる。
- [初出の実例]「若細道辻小路なれば身をひつめてそれをとをして、其後ぞゆく也」(出典:浮世草子・男色十寸鏡(1687)上)
- ③ 責める。さいなむ。苦しめる。〔観智院本名義抄(1241)〕
- [初出の実例]「秦をせめひづむるぞ」(出典:史記抄(1477)一一)
ゆが・める【歪】
- 〘 他動詞 マ行下一段活用 〙
[ 文語形 ]ゆが・む 〘 他動詞 マ行下二段活用 〙 - ① ゆがませる。整った形をくずして、曲げたり、よじったりする。曲げる。いがめる。
- [初出の実例]「沙彌是をききてかろみわらひそしる。ことさらに口をゆがめ、音をなまらかしてまねみ読」(出典:観智院本三宝絵(984)中)
- ② 心や行ないなどを正しくなくする。公平でないようにする。道理や真実などにはずれさせる。〔名語記(1275)〕
- [初出の実例]「すぐなる心を今はゆがめて」(出典:浮世草子・新可笑記(1688)五)
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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