琉球諸島で,若い男女が夜,村から離れた野原などに出て,歌をうたい,踊をおどって楽しむ習慣。方言でモーアシビーという。モーは野原の意で,村の辻の広場に集まるのを,アジマー(辻)遊びともいう。若者が夜,外に出て遊ぶ風習は各地にあったが,毛遊びはまとまった野外の集いの形をとっているところに特色がある。若者や娘が仲間どうしで寝泊りする若者宿や娘宿の習俗の一形態で,一人前と認められる15歳ごろから結婚するまでの間参加する。娘宿のあった村では,若者が娘宿へさそいに来て,いっしょに毛遊びに行ったという。村の若い男女にとっては,配偶者を選ぶための交際の場で,毛遊びで結ばれて結婚する例は多かった。毛遊びはほとんど毎日行われ,おのずから村に伝わる歌や踊を習得する機会にもなっていた。明治以後一般に普及した三味線も,この毛遊びをとおして,民衆の楽器として定着した。
→歌垣(うたがき)
執筆者:小島 瓔禮
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