精選版 日本国語大辞典「民戸」の解説
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出典 旺文社世界史事典 三訂版旺文社世界史事典 三訂版について 情報
… 蒙古,色目,漢人,南人の区分は特権に基づく身分規定であるが,これと平行して徭役義務のうえからも法制化された諸色戸計の身分規定は特権をもたない漢人・南人の一般庶民を対象とするものだけに内容も複雑である。諸色戸計とは一般民戸を狭義の民戸,站戸,軍戸,匠戸などに区分し,それぞれに特定の徭役を世襲せしめる(民戸には一般郷役,站戸には駅伝維持の諸負担,匠戸には各種の造作,軍戸には軍役を賦課する)ものであるから,まさしく身分規定とみなしてさしつかえがない。なかでも軍戸は元朝兵制を支える重要基盤であるにもかかわらず,江南には施行されないでひとり漢人戸のみをもって編成されたから,徭役の偏重による軍戸の疲弊をきたしてそれが各種の社会問題の原因となった。…
…賦課対象となるのは成人男子であるが,対象年齢は王朝によって異なり,漢代は23歳から56歳まで,唐代は18歳から60歳まで,明代は16歳から60歳までなどとなっている。内容からいえば,兵役をはじめ,政府の必要とする土木作業,行政運営に必要な各種の労働,および宋代以後には民戸の戸数割組織の役員も重要となる。ただし具体的な内容や賦課方式については,王朝によって差異があるので,以下いくつかの王朝について略説するが,全体としてみるなら,実労働の負担から代納とくに金銭によるそれへの移行が大勢である。…
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[里甲制と税制]
民政関係について述べるならば,まず人民は戸籍上,軍,民,匠,竈(そう)の4種に分けられているが,これは負担する徭役(ようえき)の違いによる分類である。すなわち,軍戸は兵役,民戸は一般行改の運営上必要な労働,匠戸は技術労働,竈戸は製塩労働を負担する者であった。数の上からいえば,民戸が圧倒的多数を占めていたので,以下は民戸を中心として解説する。…
※「民戸」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
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