気体が化学反応に関与する場合には,反応する気体および生成する気体の体積の間には,同温,同圧のもとで簡単な整数の比が成り立つという法則。気体体積の法則とも呼ばれる。1808年にゲイ・リュサックが実験的に見いだしたもので,アボガドロの法則により初めて説明された。たとえば,水素H2の1体積は塩素Cl2の1体積と反応して塩化水素HCl2体積ができる。
H2+Cl2=2HCl
固体または液体が反応する場合でも,反応物あるいは生成物に気体が関与すると,その気体の体積の間にはこの法則が成り立つ。たとえば,炭素(固体)が燃焼して二酸化炭素ができる反応では,炭素と反応する酸素O2の体積1に対し,生成する二酸化炭素CO2の体積は1である。
C+O2=CO2
ただしこの法則は厳密にはその気体が理想気体とみなされうる場合にのみ適用されるのであって,工業的生産で利用される高圧下の反応などでは成り立たない。
執筆者:佐野 瑞香
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化学反応において、その反応物と生成物がともに気体であるときには、それらの気体の体積を等温・等圧の条件で測定すると簡単な整数比になる実験事実を示したもの。ゲイ・リュサックの第二法則、あるいは気体体積の法則ともよばれる。1805年フランスのゲイ・リュサックが実験的に確認、08年一般化された。化学量論の基礎を与えた点で歴史的な役割を果たし、現在でも教育的に重要な効果をもっている。たとえば、窒素と水素からアンモニアを生ずる反応において、それらの体積の間には1対3対2の比が成立し、化学反応式N2+3H2―→2NH3における各係数と対応している。
[岩本振武]
気体体積の法則ともいう.気体が化合,そのほかの化学反応を行うとき,あるいはその生成物中に気体があるとき,これらの気体の体積は簡単な整数比をなすという法則.1808年,J.L. Gay-Lussac(ゲイ-リュサック)が見いだした.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報
「ゲイ=リュサックの法則」のページをご覧ください。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…原子は決まった重さ(質量)をもち,化合物は異なった種類の元素の原子が結合してできたものである〉として,ドルトンは元素記号を提案するとともに,それを用いて化合物を表示した。 19世紀初頭の1808‐09年,J.L.ゲイ・リュサックは気体反応の法則を発表した。それは,同じ温度,同じ圧力で同量の気体どうしを反応させると,〈最初に用いた気体の体積と,反応して生成した気体の体積とは簡単な整数比をもつ〉とする法則である。…
※「気体反応の法則」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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