水占(読み)ミナウラ

デジタル大辞泉 「水占」の意味・読み・例文・類語

み‐な‐うら【占】

《「な」は「の」の意の格助詞》川の水で吉凶を占うこと。
「妹に逢はず久しくなりぬ饒石川にぎしがは清き瀬ごとに―へてな」〈・四〇二八〉

みず‐うら〔みづ‐〕【水占】

水による占い。水の増減清濁、また、水にもみ・豆などを落として沈みぐあいで占うなど、いろいろな方法がある。みずだめし。

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精選版 日本国語大辞典 「水占」の意味・読み・例文・類語

み‐な‐うら【水占】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「な」は「の」の意 ) 古代の占いの一種。川などの水辺で、水を用いる占いかといわれる。具体的な方法は不明。
    1. [初出の実例]「妹に逢はず久しくなりぬ饒石(にぎし)川清き瀬ごとに美奈宇良(ミナウラ)(は)へてな」(出典万葉集(8C後)一七・四〇二八)

みず‐うらみづ‥【水占】

  1. 〘 名詞 〙 水を用いて卜占を行なうこと。また、その占い。水に影を映したり、水の増減をみたり、また物を流しその流れる方向をみたりし、吉凶を判断する。また、正月若水迎えのとき、米粒などを水に落としてする作占い。→みなうら

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「水占」の意味・わかりやすい解説

水占(みずうら)
みずうら

水を用いた卜占(ぼくせん)で、「みなうら」ともいった。古代の具体的な方法は不詳だが、川辺などに出て、縄などを水に流し、その流れ方によって吉凶を占ったもののようである。一般的には、水に像を写したりして占ったり、その水を飲んだりして吉凶を卜したほか井戸や水辺で神託を受けたり、供物を水に投げ入れて、その浮沈のようすで占ったりした例が知られる。

[宇田敏彦]


水占(みなうら)
みなうら

水占

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