汗馬の労(読み)かんばのろう

精選版 日本国語大辞典 「汗馬の労」の意味・読み・例文・類語

かんば【汗馬】 の 労(ろう)

① (馬に汗をかかせてかけまわった働きの意) 戦場で活躍した功労戦功軍功
信長記(1622)六「斯うちつづき汗馬(カンバ)の労(ラウ)を尽させ玉ひける験(しるし)に」 〔史記‐蕭相国世家〕
物事をまとめる時などに、かけずりまわる苦労をたとえていう。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「汗馬の労」の意味・読み・例文・類語

かんば‐の‐ろう〔‐ラウ〕【汗馬の労】

《「史記」蕭相国世家から》
馬を走らせ、戦場で活躍した功績。戦功。
物事をうまくまとめるため駆け回る苦労。「汗馬の労をいとわない」

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

故事成語を知る辞典 「汗馬の労」の解説

汗馬の労

戦場で活躍した功績。転じて、物事をまとめようとして、かけずりまわってする苦労。

[使用例] 天皇の意をもって尊氏が汗馬の労を賞したるにあらず、時勢したがいて足利家の名望に報じたるものなり[福沢諭吉文明論之概略|1875]

[由来] 紀元前の昔から、中国の書物に見える表現。たとえば、「史記しん世家」には、次のようにあります。紀元前七世紀、春秋時代の中国でのこと。長い亡命生活を経て本国の晋に戻り、君主となった文公は、亡命に付き従った家臣たちに、褒美を与えました。その基準を聞かれたとき、文公は「仁義人徳で貢献したものが一番、行動して成果を挙げた者や、戦場での『汗馬の労(馬に汗をかかせて駆け回った苦労)』があった者がその次だ」と答えたということです。

出典 故事成語を知る辞典故事成語を知る辞典について 情報

今日のキーワード

脂質異常症治療薬

血液中の脂質(トリグリセリド、コレステロールなど)濃度が基準値の範囲内にない状態(脂質異常症)に対し用いられる薬剤。スタチン(HMG-CoA還元酵素阻害薬)、PCSK9阻害薬、MTP阻害薬、レジン(陰...

脂質異常症治療薬の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android