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江戸時代の美術 えどじだいのびじゅつ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

江戸時代の美術
えどじだいのびじゅつ

大坂夏の陣による豊臣家の滅亡 (1615) から,明治維新 (1868) にいたるまでを対象とする。安土桃山時代に引続き,京都が重要な地位を占める一方,政治,社会の中枢移行に伴って江戸でも新しい美術が生れ,両者が二大中心地となった。ここで創出された美術が全国に波及し,各地に独特な美術を発生させた。美術の需要者は武家階層と市民階層に大別される。武家階層は美術において組織的な制作体制をつくり上げ,絵画における狩野派を典型として,御用絵師階層を確立させた。これはやがてやまと絵系の住吉派を取込んで盤石なものとなったが,このような組織はすぐに創造性を失った。一方,市民階層は江戸幕府の蔑視政策にもかかわらず,その富力によって生命力あふれた新しい美術を次々に獲得していった。京都における琳派,文人画,奇想系,円山四条派の絵画,江戸における浮世絵などがその代表例である。美術の諸分野中では絵画が最も隆盛をみ,書,工芸がこれに次ぎ,建築,彫刻はふるわなかった。なお鎖国という特殊な状況にありながら,中国の明,清,オランダの文化,美術を取入れ,近代美術への道を準備したことも見逃せない。また江戸時代の美術は,桃山様式を整備して基礎を確立した初期,それが一斉に開花した中期,社会的普及が顕著に進んだ後期の3期に分けられる。

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