江釣子古墳群(読み)えづりここふんぐん

日本歴史地名大系 「江釣子古墳群」の解説

江釣子古墳群
えづりここふんぐん

[現在地名]江釣子村上江釣子、和賀町長沼

和賀川北岸の自然堤防上に位置し、それぞれ独立した四つの支群からなる。東北地方北端の群集墳で、東から江釣子村に八幡はちまん古墳群・猫谷地ねこやち古墳群・五条丸ごじようまる古墳群があり、和賀町の長沼ながぬま古墳群が連続して存在する。標高は猫谷地で約七三・六メートル。国指定史跡。当古墳群は蝦夷えぞ塚の名で江戸時代から知られている。発掘調査は昭和二六年(一九五一)猫谷地古墳五基の調査をはじめ、これまでに五条丸古墳群七九基、猫谷地古墳一基、長沼古墳群の発掘調査などが行われた。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

国指定史跡ガイド 「江釣子古墳群」の解説

えづりここふんぐん【江釣子古墳群】


岩手県北上市上江釣子・和賀町ほかにある東北地方屈指の横穴式石室をともなう古墳群。和賀川の北岸にあり、東の八幡地区に23基、中央の猫谷地(ねこやち)地区に29基、西の五条丸地区に81基の古墳が確認されている。副葬品として、かます切先(きっさき)太刀、蕨手刀(わらびでとう)、鉄鏃(てつぞく)などの武具をはじめ、馬具工具、装身具類、土器などが豊富に出土している。1979年(昭和54)に国指定の史跡となった。和賀町にある長沼古墳群は1972年(昭和47)の発掘調査によって、江釣子古墳群と同時代、同性格のものであることが明らかとなっており、1980年(昭和55)、江釣子古墳群に追加して指定された。JR東北新幹線ほか北上駅から岩手県交通バス「五条丸」下車、徒歩約3分。

出典 講談社国指定史跡ガイドについて 情報

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