江戸後期の女流漢詩人、画家。名を裊(じょう)、字(あざな)を細香、号を緗夢(しょうむ)、通称を多保という。美濃(みの)(岐阜県)大垣藩の藩医江馬蘭斎(らんさい)の長女。初め画を玉潾和尚(ぎょくりんおしょう)に、のち浦上春琴(しゅんきん)(1779―1846)に学び、墨竹を得意とした。漢詩は頼山陽(らいさんよう)の懇切な指導を受け、幕末を代表する女流詩人となった。梁川星巌(やながわせいがん)やその妻紅蘭(こうらん)などと詩社白鴎社(はくおうしゃ)を結成して詩画に遊び、生涯を独身で過ごした。女性らしい繊細で濃艶(のうえん)な詩風を特徴とし、山陽の批評を付した詩集『湘夢遺稿』が死後出版(1871)された。文久(ぶんきゅう)元年9月4日没。
[揖斐 高]
『富士川英郎著『江戸後期の詩人たち』(1973・筑摩書房)』
出典 日外アソシエーツ「367日誕生日大事典」367日誕生日大事典について 情報
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