油ヶ淵(読み)あぶらがふち

日本歴史地名大系 「油ヶ淵」の解説

油ヶ淵
あぶらがふち

碧南市の北東、安城市との境にある周囲七・八六キロ、面積〇・五九平方キロの小さな潟湖。かつては洪積台地の開析谷に連なる溺れ谷で、入江になっていた。古来、矢作川は幡豆はずおもて(現西尾市)の東を流れ、一色いしき千間せんげん(現幡豆郡一色町)で海に注いでいたが、川幅が狭く洪水の被害が多かった。慶長八年(一六〇三)幕命を受けた西尾城主本多康俊は米津清右衛門を奉行として起工木戸きど(現安城市)から米津よねづ(現西尾市)に至る間に、長さ一二町・幅二〇間・深さ八間の新掘割が築かれ、二年後、矢作川の本流西南の海に注いだ(徳川実紀)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「油ヶ淵」の意味・わかりやすい解説

油ヶ淵
あぶらがふち

愛知県中部,碧南市の北東端にある湖。洪積台地の開析谷に連なる溺れ谷が入江となっていたが,慶長 10 (1605) 年矢作川の流路変更で土砂が流入して溺れ谷の口がふさがり,潟湖となった。面積 0.6km2,最深部 7m。長田川,朝鮮川,半場川が東から流入し,西へ新川 (1700) ,高浜川 (1935) を開削して衣浦湾に排水している。海に通じた結果,湖水の上層淡水であるが下層塩分が多い。釣場として利用され,油ヶ淵遊園地がある。

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デジタル大辞泉プラス 「油ヶ淵」の解説

油ヶ淵

愛知県安城市と碧南市の間、高浜川、長田川と半場川の接続点に位置する海跡湖。県内唯一の天然湖沼で、面積は約0.64平方キロメートル。周辺は県営都市公園として整備されている。

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