海跡湖(読み)カイセキコ(英語表記)sea relic lake

デジタル大辞泉 「海跡湖」の意味・読み・例文・類語

かいせき‐こ【海跡湖】

海湾一部砂嘴さし砂州発達し、外海から分離されてできた潟湖せきこサロマ湖浜名湖など。

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精選版 日本国語大辞典 「海跡湖」の意味・読み・例文・類語

かいせき‐こ【海跡湖】

〘名〙 海の一部が、堆積作用地盤隆起のため陸内に封じ込められてできた湖。カスピ海アラル海宍道湖(しんじこ)、浜名湖など。潟(かた)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「海跡湖」の意味・わかりやすい解説

海跡湖
かいせきこ

かつて海であった所が海と切り離されて内陸に封じ込められてできた湖沼アルプス造山運動と同時期に、ユーラシア大陸の古地中海テチス海)は大規模な造陸運動によってカスピ海やアラル海を生じた。巨大な海跡湖はこのような造陸運動に起因してつくられたと考えられるが、このほか、砂嘴(さし)や砂州によって湾や海岸線のくぼみが海と切り離されて生じた海岸湖沼や潟湖(せきこ)もこれにあたり、さらには、気候変動に伴う海進海退が深く関連することがある。海岸線の長い日本列島には、北海道のサロマ湖や秋田県の八郎潟など、この成因の湖が多い。

[中尾欣四郎]

『平井幸弘著『湖の環境学』(1995・古今書院)』『堀江正治著『日本の湖』(日経新書)』


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「海跡湖」の意味・わかりやすい解説

海跡湖
かいせきこ
sea relic lake

かつて海であった場所が,外海から隔離されてできた湖や沼沢。成因的には堰止湖 (せきとめこ) が多い。海跡湖は,(1) 砂州や砂嘴の発達によって海湾の一部が海からへだてられたもの (例:サロマ湖) ,(2) 陸繋島と陸岸を結ぶ2本のトンボロに囲まれてできたもの (例:イタリアのオルベテロ湖) ,八郎潟はこのタイプと考えられてきたが,最近の調査によれば二重トンボロではないらしい,(3) 沿岸州や砂丘が海岸に発達し,入江河口をせきとめてできたもの (例:湖山池,東郷湖) ,(4) 海進,海退あるいは陸地の沈降,隆起などによってできたもの (例:宍道湖) など種々のタイプに区分される。また砂州や砂嘴などの沿岸堆積物によって外海からへだてられてはいるが,直接あるいは間接に海の影響 (海水の侵入,潮汐の変化) を受け,比較的水深が浅い湖や沼沢を潟湖 (せきこ) あるいは (かた) と呼んでいる。

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百科事典マイペディア 「海跡湖」の意味・わかりやすい解説

海跡湖【かいせきこ】

かつて海だった所が砂丘,砂嘴(さし),砂州の発達により海岸の湖沼となったもの。一般には潟湖(かたこ)である。北海道のサロマ湖,静岡県の浜名湖等。

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世界大百科事典(旧版)内の海跡湖の言及

【砂州】より

…海岸線に平行して沖合に発達する砂州はとくにバリアbarrier(沿岸州)とよばれ,アメリカ合衆国大西洋岸では大規模なバリアが発達する。砂州によって出口をふさがれた湾は潟湖(ラグーン)または海跡湖とよばれる。【米倉 伸之】。…

※「海跡湖」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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