沼鉄鉱(読み)ショウテッコウ

岩石学辞典の解説

沼鉄鉱

柔らかくスポンジ状の多孔質の酸化鉄および水酸化鉄が生化学的に沈澱してできた堆積物で,浅い湖,湿地,沼地などに形成され,藻類やバクテリアの活動によって酸化される.褐鉄鉱(limonite)がこのような条件下で最も普通に形成される酸化物であるが,植物の分解作用があると菱鉄鉱(siderite)が沈澱する.経済性は小さく,北方の氷河湖には普通に形成される[Park & MacDiarmid : 1964, Hatch, et al. : 1971].リムナイト(limnite), 沼沢地鉱床(marsh ore), 低温地帯(morass), 湿草地鉱床(meadow ore), 湖沼鉱床(lake ore), 沼沢鉱床(swamp ore)などはみな同義.

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大辞林 第三版の解説

しょうてっこう【沼鉄鉱】

沼沢地や湖沼底などに沈殿・堆積した鉄鉱物の集合体。多孔質で褐色、土状。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

沼鉄鉱
しょうてっこう

結核状に生成された、いわゆる褐鉄鉱の総称。鉱物学的には低結晶度の針鉄鉱、菱(りょう)鉄鉱、ときにカコクセン石のような含水燐(りん)酸鉄の鉱物からなる。日本においては、細長い形をし、角ばった部分のない中空の(中央に穴があいている)結核となったものを高師小僧(たかしこぞう)と俗称している。これは木の根(生命力を多少とも失ったもの)を中心にしてその周りに沈殿した管状の鉄化合物で、層状・塊状のもの、不定形集合をなすものもある。[加藤 昭]

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精選版 日本国語大辞典の解説

しょう‐てっこう セウテックヮウ【沼鉄鉱】

〘名〙 沼地や湖底に堆積して生ずる多孔性土質の褐鉄鉱。酸化第二鉄・燐を主成分とし、質はもろい。鉄バクテリアの作用、また大気による酸化作用によって生じ、時に植物の化石を含む。秋田県、愛知県、熊本県阿蘇谷などに産する。高師小僧。〔鉱物字彙(1890)〕

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