カコクセン石(読み)カコクセンせき(その他表記)cacoxenite

最新 地学事典 「カコクセン石」の解説

カコクセンせき
カコクセン石

cacoxenite

化学組成鉱物。六方晶系,空間群P63/m,格子定数a2.76nm. c1.04,単位格子中2分子含む。黄色,褐黄~赤黄。六角針状結晶,放射状集合体,繊維状の塊。劈開なし,硬度3~4,比重2.26, ω1.575, ε1.635,一軸性正。鉄鉱床ペグマタイトの二次鉱物としてストレンジャイト(燐鉄鉱),銀星石褐鉄鉱などと共生。原産地はチェコのボヘミア,Hrbek鉱山。日本では高知県豊田などで産出。名称は鉄鉱石としてリンを含むことが歓迎されないことから,ギリシア語のkakoとxenoz(悪い客)に由来

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出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「カコクセン石」の意味・わかりやすい解説

カコクセン石
かこくせんせき
cacoxenite

第二鉄、アルミニウム(Al)の含水塩基性リン酸塩。Fe3+24Al[(OH)12|O6|(PO4)17]・75H2Oの式が示すように、少量のアルミニウムは必須(ひっす)成分となっている。また[PO4]と独立の酸素が、O、OH、H2Oと3種類の形で存在する。自形は六角柱状。これが放射状集合をなし、最終的には球顆(きゅうか)を構成する。産状は3種類に大別される。鉄分に富む珪質堆積物(けいしつたいせきぶつ)あるいは堆積岩中の団塊の主成分をなし、また細脈をなす。各種磁鉄鉱鉱床の酸化帯に生成される。いわゆるリン酸塩ペグマタイトの最末期の生成物となる。日本では岐阜県大垣市昼飯(ひるい)のチャートの採掘場で細脈をなすものが知られている。

 共存鉱物は針鉄鉱、磁鉄鉱石英のほか、リン酸塩としては燐(りん)鉄鉱、銀星石、ロックブリッジ石rockbridgeite(化学式Fe2+Fe3+4[(OH)5|(PO4)3])、バリシア石などがある。同定は形態や集合状態が観察されれば比較的容易である。微細なものでも顔料のように比較的鮮やかな色と被覆力があり、野外でも水酸化第二鉄のしみなどとは一見して区別できる。比重は非常に小さい。英名は「たちの悪い客」を意味するギリシア語κκς ξυος(cacos xenos)にちなむ。カコクセン石が混入すると精錬して作られた鉄の性質が劣化することによる。

[加藤 昭]


カコクセン石(データノート)
かこくせんせきでーたのーと

カコクセン石
 英名    cacoxenite
 化学式   Fe3+24Al[(OH)12|O6|(PO4)17]・75H2O
 少量成分  Mn
 結晶系   六方
 硬度    3~4
 比重    2.22
 色     黄,褐黄,橙黄,鮮黄,深橙,まれに帯緑黄
 光沢    絹糸
 条痕    黄,褐黄
 劈開    無
       (「劈開」の項目を参照)

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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