デジタル大辞泉
「高師小僧」の意味・読み・例文・類語
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たかし‐こぞう【高師小僧】
- 〘 名詞 〙 沼(しょう)鉄鉱の一種。愛知県豊橋市高師原に多産する管状の褐鉄鉱で、地下水の鉄分が地中の植物体のまわりに沈殿してできたもの。
- [初出の実例]「三河国渥美郡高師山と云へる処に、亦此無名異を産す、長さ一二寸〈略〉大雨の後などには簇乎として路傍に林立す、〈略〉土人高師小僧(タカシこぞう)と云ふ」(出典:風俗画報‐五〇号(1893)動植門)
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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高師小僧
たかしこぞう
植物の根などの周囲に沈着した水酸化第二鉄あるいは含水第二鉄燐(りん)酸塩鉱物。これらの非晶質相当相もある。典型的なものは筒状で、中の根が腐って中空になっている。外見は褐色土状光沢。結晶度の低い針(しん)鉄鉱からなり、菱(りょう)鉄鉱、藍(らん)鉄鉱の酸化産物、カコクセン石cacoxenite(Fe3+24Al[(OH)12|O6|(PO4)17]・~75H2O)などを含むこともある。愛知県高師原(たかしはら)のものが有名であったのでこの名がある。鉄含有量は高いが、多量に産するものではなく、また燐分が存在していたりするので、鉄鉱石としての用途はない。
[加藤 昭 2017年9月19日]
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高師小僧 (たかしこぞう)
ヨシなどの湿生植物の根のまわりに発達した紡錘形ないし管状の鉄質の形成物。典型的なものは愛知県豊橋市付近の高師原台地に産するので高師小僧の名がある。湿地の還元的土壌条件下では,水に溶けて動きやすい2価の鉄イオンFe2⁺が多量存在するが,湿生植物の根のまわりだけは根から酸素が分泌され,また植物が枯死したあとも根の穴を通じて地上から酸素が供給されてFe2⁺は酸化沈殿する。高師小僧はこうした酸化沈殿が長年続いた結果形成されたものである。高師原に産するものでは,鉄は針鉄鉱にまで結晶化している。
執筆者:三土 正則
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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高師小僧
風化帯で,地下水で溶けた鉄分が土壌中の植物体を交代して水酸化鉄として沈澱して生じた管状あるいは樹枝状の褐鉄鉱の塊.愛知県高師ヶ原産のものに最初に命名され,各地に産出する.土偶のような形となるものがあるのでこの名がある[渡辺 : 1935,片山ほか : 1970,地学団体研究会 : 1996].
出典 朝倉書店岩石学辞典について 情報
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高師小僧
たかしこぞう
管状,樹枝状を呈する褐鉄鉱の団塊の地方名。愛知県高師原に産するものが,幼児などを連想させることから名づけられた。地下水に溶解した鉄分が土中の植物体の周囲に沈殿し,水酸化鉄の沈殿物を形成したもの。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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高師小僧【たかしこぞう】
おもに第四紀層中にみられる管状,小塔状の褐鉄鉱からなる団塊。地下水に溶けていた鉄分が毛管作用で上昇,植物根などを包んで管状に析出してできる。愛知県高師原に産するものが有名。
出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
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