津峯神社(読み)つのみねじんじや

日本歴史地名大系 「津峯神社」の解説

津峯神社
つのみねじんじや

[現在地名]阿南市津乃峰町

津峰山の山頂近くにある。社殿正面から北東方面の眼下那賀なか川が流れ、同川河口部に流れ込む桑野くわの川がつくる沖積平野と三角洲が見下ろせる。また社殿南側からはたちばな湾が眺望できる。主祭神は賀志波比売命、相殿に大山祇命を祀る。旧郷社。「延喜式」神名帳に載る那賀郡七座のうち「賀志波比売カシハヒメノ神社」は当社に比定される。「阿波志」の賀志波比売の項には「延喜式亦為小祀在水潟村南津峯今称津峯権現」とあるが、津峯祠の項には「在答島」と記される。寛保改神社帳でも津峯大権現の所在地は答島こたじま村とされる。「阿府志」には「俗津峯権現ト号ス」「当社ハ山ノ麓ニ在シヲ所ノ郷民望ニ因テ今ノ山上ニ遷ス、是ハ年暦久シカラズ」と記される。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「津峯神社」の意味・わかりやすい解説

津峯神社
つのみねじんじゃ

徳島県阿南(あなん)市津乃峰町東分(ひがしぶん)に鎮座。創立年代はつまびらかでないが、社伝によれば聖武(しょうむ)天皇の724年(神亀1)に神託があり、国家の鎮護長寿延命の神として、加志波比売命(かしはひめのみこと)を祀(まつ)ったという。『阿波(あわ)志』に「延喜式亦小祀(えんぎしきまたしょうし)と為(な)す。水潟村南津峯に在り、今津峯権現(ごんげん)と称す。旧北麓(ろく)に在り、林木蒼然(そうぜん)古松一株其(そ)の大きさ比なし。昔時封田若干あり」とみえている。旧来より国守領主の崇敬が厚く、とくに阿波藩主蜂須賀(はちすか)家歴代は家運長久を祈願した。1936年(昭和11)郷社に加列。例祭は11月17、18日。4月初旬の日曜日に桜祭。

[落合偉洲]


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デジタル大辞泉プラス 「津峯神社」の解説

津峯神社

徳島県阿南市にある神社。津峰(つのみね)山の山頂付近に位置する。祭神は賀志波比売命(かしはひめのみこと)。延喜式内社の「賀志波比売(かしはのひめの)神社」に比定される。

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