海面更正(読み)かいめんこうせい(英語表記)reduction of mean sea level

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

海面更正
かいめんこうせい
reduction of mean sea level

観測地点の直下に平均海水面を延長した面を仮想し,観測値を,この面上で起こるであろう値に換算すること。最も一般的に行なわれるのは,天気図を描く場合の気圧の海面更正である。海面から観測点までの気温と湿度の垂直分布がわかれば海面気圧はただちに計算できるが,普通は観測点の気圧,気温,湿度が測定されるのみであることから,実際の垂直分布に近いものを仮定して海面更正を行なう。海面更正値ΔPで与えられる。ここで P0は海面気圧,P は観測点の気圧,g は重力の加速度,h は観測点の海抜高度,R は空気の気体定数,Tmは海面から hmまでの平均仮温度を絶対温度で表したもの。日本では仮想気柱の平均温度は気温減率を 100mあたり 0.5℃として求める。また平均仮温度は近似的に仮想気柱の平均温度(tm℃)の関数として次の式で与えられる。

Tm=273.15+tm+εm

ここでεmtmの値によって決まる統計的補正値である。

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デジタル大辞泉の解説

かいめん‐こうせい〔‐カウセイ〕【海面更正】

気圧の観測値を、その地点直下の高度零メートル、すなわち平均海面での値に換算すること。高所ほど気圧は低いので、観測所の直下に海面を仮想して補正し、比較できるようにする。

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百科事典マイペディアの解説

海面更正【かいめんこうせい】

気圧の観測値をその場所の直下に海面を延長した面での値に直すこと。気圧は高度によって異なるので,各地の観測値は同一の高度の値に換算し比較する。
→関連項目気圧

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

海面更正
かいめんこうせい

ある地点の気圧の値を平均海面上の値に換算すること。この場合の平均海面とは、長期間にわたって観測された潮汐(ちょうせき)や波浪などによる海面の高低の平均値で、通常東京湾の平均海面を標準とする。ある場所で測定した気圧の値は、その場所の高さに対応する値を示している。その場所の直下に海面があると仮想し、その場所の海抜高度分の高さの補正を測定値に加えること、これが海面更正である。
 たとえば、海抜高度の高い前橋(気象台で112.2メートル)と、低い東京(気象台で6.5メートル)で同時に測った気圧を比べてみると、海抜高度の差に相当する分およそ12ヘクトパスカルだけ前橋のほうがいつでも気圧が低い。地図に気圧のデータを記入して等圧線を書き、低気圧や高気圧の位置を求める場合、それでは困るので、海抜高度分の補正をそれぞれ前橋と東京のデータに施して、仮想的な直下の海面の値に直し、すなわち海面更正をして、地図に書き入れる。天気図に記入してある気圧の値はすべてこのように更正した値である。[大田正次]

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精選版 日本国語大辞典の解説

かいめん‐こうせい ‥カウセイ【海面更正】

〘名〙 天気図などをつくる場合に、高度の異なる各地点の実測気圧を、海面上の高さの気圧に換算すること。

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世界大百科事典内の海面更正の言及

【気圧計】より

… 測定地点の高度が高くなれば気圧は低くなる。他の地点のデータと比較するためには,海面上の値に換算する必要がある(海面更正)。逆にある地点の気圧がわかれば,その地点の高度が求められる。…

※「海面更正」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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