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気象台 キショウダイ

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デジタル大辞泉の解説

きしょう‐だい〔キシヤウ‐〕【気象台】

気象の観測・資料収集・研究をし、天気予報気象警報を出すなどの気象業務を行う機関。地震・火山などの観測も含む。→管区気象台地方気象台

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大辞林 第三版の解説

きしょうだい【気象台】

気象に関する観測、情報の収集、予報・警報の作成と発表を主な業務とし、地震・火山・海洋の観測なども行う気象庁の一機関。管区・地方・海洋の諸気象台と、沖縄・航空地方・高層の各気象台がある。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

気象台
きしょうだい
meteorological observatorymeteorological office

気象庁を構成する諸官署を日常的にさしていう。気象庁の役割は、気象業務法(昭和27年法律第165号)に定められた現象について、広範囲な観測網、通信網によりデータ、情報を収集、交換して処理し、予報、警報などを作成し、また調査研究を行い、それらの成果を自らの放送設備、報道機関、刊行物などを通じて利用者に伝達することである。気象台は、これらの業務を実施している全国に散在する気象官署の総称である。業務の地理的範囲は主として日本国内であるが、南極観測には気象観測班がつねに参加し、観測船で海洋の観測を行っている。また、静止気象衛星ひまわり」は東経140度を中心とする半球を日夜監視している。観測範囲の鉛直方向については、地球内部から海洋、地表、大気圏にまで至っている。[安田敏明・饒村 曜]

気象業務

気象業務とは、気象をはじめ地震や火山、海洋も含めて観測を行い、予報や警報を発表する国営の業務のことである。気象業務法によると、おもに次のように定められている。
(1)気象(大気の諸現象)、地象(地震、火山現象、気象に関連した地面現象など)、水象(陸水と海水の諸現象)の観測(自然科学的方法による現象の観察および測定)。
(2)気象、地象(地震にあっては、発生した断層運動による地震動に限る)、水象の予報(観測の成果に基づく現象の予想の発表)、警報(重大な災害の起こる恐れのある旨を警告して行う予報)。
(3)気象、地象、水象に関する情報の収集、発表。
(4)地球磁気、地球電気の常時観測。
 気象業務法は、1952年(昭和27)に制定され、その後、何回か改正されているが、現在の気象業務法(2007年改正)の目的は、気象業務に関する基本的制度を定めることによって、気象業務の健全な発達を図り、災害の予防、交通の安全の確保、産業の興隆など公共の福祉の増進に寄与するとともに、気象業務に関する国際協力を行うこと、となっている。[饒村 曜]

気象台の歴史

1875年(明治8)に東京気象台が設立され、内務省地理寮(後に地理局)に属した。気象事業の効果が認められるにしたがい全国各地に測候所が設けられたが、私設であったり県営であったり、管理運営がまちまちであった。このため、1887年に国営の気象台・測候所、府県立の測候所、民営の測候所の設置およびそれぞれの業務に関する規律を体系的に定めた気象台測候所条例が公布され、東京気象台はこのとき中央気象台と改称された。初代台長は測地学者で気象官僚の荒井郁之助(いくのすけ)で、当時の定員は25人であった。気象観測、測器検査、天気予報、暴風警報のほか、地震、地磁気、空中電気(大気電気)の験測を行った。中央気象台は内務省地理局から1895年に文部省へ移り、1937年(昭和12)から1939年にかけて国内すべての測候所が国有化されたことから、地方および民間による気象業務は中央気象台の指揮下に入った。さらに1943年に運輸通信省へ、1945年には運輸省へと移管された。
 1954年(昭和29)の洞爺(とうや)丸台風の被害がきっかけとなって気象台の整備拡充論が盛んとなり、1956年に中央気象台は気象庁となった。また、気象庁は2001年(平成13)1月の省庁再編により新しくできた国土交通省に移管された。[安田敏明・饒村 曜]

気象台の種類および各種業務内容

気象台の仕事は、地上気象、高層気象、海洋気象、レーダー観測など、対象となる現象の観測の種類によって特殊な役割をもっており、次のような各種気象台および観測所がある。
(1)管区気象台 全国を5管区(札幌、仙台、東京、大阪、福岡)に分け、その各管区に置かれた各地方の予報や通信などの中枢となっている官署で、管内の地方気象台、測候所などを統轄している。沖縄県には管区気象台とほぼ同格の沖縄気象台がある。地上と高層、担当予報区の天気予報や警報、および測器の検定や修理なども行っている。気象通信制御用のコンピュータを備え、管内の気象データの集信および本庁への送信、本庁からのデータの管内への配信を行っている。管区気象台の制度は1939年(昭和14)に施行され、中央気象台が全体を統轄した。
(2)海洋気象台 函館(はこだて)、神戸、舞鶴(まいづる)、長崎の各市にあり、担当予報区についての天気予報や警報および海面水温予報などを行っている。神戸海洋気象台(1920年設立)に、1922年設置された無線電信送信機は、気象専用のものとしては世界最初であった。
(3)地方気象台 管区気象台の下にあって天気予報、気象観測、レーダー観測、火山観測などを行っている。多くは県庁所在地に置かれており、その府県の予報、警報を担当している。
 また、予報中枢とよばれる官署があり、各気象台からのデータの集約ならびに解析、また予報などを行う。予報中枢は、新潟、名古屋、広島、高松、鹿児島の五つの地方気象台に置かれ、それぞれ担当する各気象台などの資料を集約し、天気図解析を行い、予想天気図を作成したり、指示報を各気象台に供給するセンターである。
 なお、各種の予警報については、全国予報区(日本全国)、全般海上予報区(東経100~160度、北緯0~60度の線で囲まれた海域)、地方予報区(全国に11ある)、地方海上予報区(日本の海岸から約300海里以内の海域を12分割した区)に対して、気象庁本庁と札幌、仙台、大阪、福岡の4管区気象台および沖縄気象台、それと函館、神戸、舞鶴、長崎の4海洋気象台、さらに新潟、名古屋、広島、高松、鹿児島の5地方気象台の合計15官署がこれにあたっている。
(4)航空地方気象台 成田国際空港と東京国際空港(羽田)、中部国際空港(愛知県常滑(とこなめ)市沖)、関西国際空港(大阪湾泉州沖)にある。航空機運航のため、気象観測を1日48回の定時のほか、気象条件が変わるたびに行っている。雲底高度を測定するシーロメーター、滑走路に沿って視距離を測定する透過率計など、普通の気象官署ではみられない測器を備えている。予報課では、天気図の解析、飛行場予報と警報、および空域予報、航空路予報などを行っている。
(5)気象研究所 二酸化炭素などの増加による地球温暖化、酸性雨、砂漠化など地球規模の気候変動・環境問題、気象災害の防止、大規模地震や火山噴火予知などの問題に対処するため、気象・水象・地象に関する現象の解明と予測の研究および広範な関連技術の開発を行っている。1946年(昭和21)に東京都杉並区に中央気象台研究部として創立、翌年に気象研究所と改称。1980年に筑波(つくば)研究学園都市の現在地(つくば市長峰)に移転となっている。
(6)気象衛星センター 日本の静止気象衛星とアメリカの軌道衛星からの信号を受信し処理する施設で、東京都清瀬市にある。同センターが処理し、雲画像、海面水温、雲量分布、雲頂高度、風ベクトルなどのデータを作成する。雲画像は逆の経路をたどって気象衛星から放送され、他のデータは気象通信回線で他の国々へも送られる。衛星の情報は観測点の少ない地域に関してとくに貴重であり、また台風の発見や追跡などに有効であるため、とくにアジアの諸国とオーストラリアなどから大いに歓迎されている。
 なお、日本の気象衛星(愛称「ひまわり」)は、静止気象衛星GMSとして1977年に打ち上げられ、5号まで運用された。その後、2005年(平成17)に打ち上げられた「ひまわり6号」と2006年に打ち上げられた「ひまわり7号」は、運輸多目的衛星MTSAT(エムティーサット)であり、気象観測に加え航空機の管制機能などを有している。航空機の管制機能は6号と7号の衛星を同時に使って行うが、気象観測機能は、長期間の欠測を避けるため、1機を本運用(定常観測中)、1機を待機運用(スタンバイ)している。2011年の時点では、7号が観測本運用、6号が待機運用をしている。
(7)高層気象台 高層大気の業務的・実験的観測をおもな仕事とし、茨城県つくば市長峰にある。高層大気の総合的研究を目的として1920年(大正9)同地に設立されたが、当時は茨城県小野川村館野(たての)という地名であった。このため、移転はしていないが、過去の観測資料には、館野という地点名が記されている。最初は、気球による上層風観測、凧(たこ)や係留気球につけた自記機械による気温、湿度、気圧の観測などを行った。1日1回のラジオゾンデの観測は1944年(昭和19)から始められた。また、高層気象観測網の一環として通常の観測(毎日9時と21時のラジオゾンデ観測)を行うほか、新しいゾンデの開発、実地試験、各種ゾンデの比較試験および特殊ゾンデ(オゾンゾンデなど)の観測、高層観測要員の研修を行っている。またドブソン分光光度計によるオゾン観測を1950年(昭和25)から定常的に行っている。
(8)地磁気観測所 おもに地球磁気(水平成分、鉛直成分、活動度など)、地電流(地電位差など)、空中電気(大気電位傾度、大気電位伝導度など)の観測、研究を行っている。第1回国際極年観測に際し、1883年(明治16)に東京で地磁気観測を行ったのが始まりで、1913年(大正2)に茨城県新治(にいはり)郡柿岡(かきおか)村(現石岡(いしおか)市)へ移った。ほかに、北海道大空(おおぞら)町女満別(めまんべつ)と鹿児島県鹿屋(かのや)市に無人の観測施設、東京都小笠原(おがさわら)村父島に無人の常時観測点を置き、世界の地磁気観測網の重要な一環をなしている。
(9)気象大学校 気象庁の業務に携わる地球物理学・情報工学などを基礎にした広範な知識、高度な技術をもつ技術者を養成するために設けられた大学で、千葉県柏(かしわ)市にある。一般の大学と同等の教育を行う大学部(4年制)と、すでに実際の業務に従事している職員の技術レベルを引き上げるために行う研修コースを体系的に設けている研修部が置かれている。[安田敏明・饒村 曜]
『気象庁監修『気象業務関係法令集 平成6年版』(1994・ぎょうせい) ▽中井公太著『気象業務の現状 気象庁の公衆気象サービス』(1998・気象業務支援センター) ▽さんば総研編著『気象の仕事――天気予報から宇宙観測まで』(2003・三修社) ▽気象庁編『気象業務はいま』(2010・研精堂印刷)』

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