淫羊藿(読み)ウムキナ

デジタル大辞泉 「淫羊藿」の意味・読み・例文・類語

うむき‐な【淫藿】

イカリソウ古名。〈本草和名

いんよう‐かく〔インヤウクワク〕【淫羊×藿】

中国産のホザキイカリソウ(穂咲錨草)の漢名イカリソウをいうこともある。茎・葉を漢方で強精・健忘症神経衰弱などに用いる。

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精選版 日本国語大辞典 「淫羊藿」の意味・読み・例文・類語

いんよう‐かくインヤウクヮク【淫羊&JISEE64;】

  1. 〘 名詞 〙 中国から渡来した薬草「ほざきいかりそう(穂咲碇草)」の漢名。ただし、日本では、これを中国にはないイカリソウの漢名に当てることが多い。また、その茎葉を乾燥させた漢方の強壮、強精薬をもいう。陰萎(いんい)、健忘症、神経衰弱、四肢痙攣などに効用がある。
    1. [初出の実例]「羊藿 〈略〉和名宇无歧奈 一名也末止利久佐」(出典:本草和名(918頃))
    2. [その他の文献]〔本草綱目‐草部・淫羊藿・釈名〕

くわなくはな【淫羊&JISEE64;】

  1. 〘 名詞 〙 植物いかりそう(碇草)」の古名。〔新撰字鏡(898‐901頃)〕

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「淫羊藿」の意味・わかりやすい解説

淫羊藿
いんようかく

イカリソウ

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動植物名よみかた辞典 普及版 「淫羊藿」の解説

淫羊藿 (インヨウカク)

植物。メギ科の多年草,園芸植物,薬用植物。イカリソウの別称

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世界大百科事典(旧版)内の淫羊藿の言及

【イカリソウ】より

…全草を煎じ,あるいは酒につけて強壮薬として飲用する。強壮薬として有名な漢方薬の淫羊藿(いんようかく)も中国産のホザキノイカリソウE.sagittatum (Sieb.et Zucc.) Maxim.またはE.brevicornum Maxim.などの葉を乾燥したものである。また観賞用としても栽培され,1830年ころすでにシーボルトによりヨーロッパにもたらされている。…

【強精剤】より

…1907年ころからアマゾンのボロボロノキ科植物の木や根がムイラプアマという強精剤としてヨーロッパにもたらされ,内服の流動エキスまたは陰部浴剤として用いられた。淫羊藿(いんようかく)はイカリソウの類の植物の茎や葉を乾燥したもので,別名千両金,仙霊脾とよばれる。これからはイカリインという配糖体が分離されている。…

【媚薬】より

…《逸著聞集(いつちよもんじゆう)》には性欲がたかぶって困る人が,教えられて鰻,鶏卵,山芋,牛蒡などいずれも強精食といわれるものを食べたら,かえって陰茎が激しく勃起して火のように燃え,水に浸したら湯になったとある。また,陰部に薬を塗られた常盤(ときわ)御前が淫欲高まって平清盛に身をまかせながら子どもたちの助命をとりつけた話(黒沢翁満《藐姑射秘言(はこやのひめごと)》)とか,尼将軍政子が腎虚になったので淫羊藿(いんようかく)(強精の効によって陰茎が怒るほど勃起するというので和名を〈イカリソウ〉という)に男女の淫水2升を混ぜる丹薬を造るため,若侍と御殿女中各100人がいっせいに交わる話(平賀源内《長枕褥合戦》)などもある。 他方,まじめだが内容がすごいのは,俳人小林一茶が自分たち夫婦の性交をきちょうめんに記録した《七番日記》や《九番日記》である。…

※「淫羊藿」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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