清水晴風(読み)しみずせいふう

日本大百科全書(ニッポニカ) 「清水晴風」の意味・わかりやすい解説

清水晴風
しみずせいふう
(1851―1913)

明治時代玩具(がんぐ)研究家。本名仁兵衛。江戸神田の生まれ。全国の伝承的な人形玩具類を初めて紹介した画集『うなゐの友』(6編)の著者。1895年(明治28)、代々家業運送業)をほかに譲って人形玩具愛好運動に専心、「玩具博士」とよばれた。『うなゐの友』は彼の死後西沢笛畝(てきほ)が引き継ぎ10編まで完成。近世玩具研究の貴重な文献とされている。

[斎藤良輔]


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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「清水晴風」の解説

清水晴風 しみず-せいふう

1851-1913 明治-大正時代の玩具(がんぐ)研究家。
嘉永(かえい)4年1月10日生まれ。家業の運送業をいとなむかたわら,各地の郷土玩具収集と研究にあたり,「玩具(おもちゃ)博士」とよばれる。明治24年玩具紹介の画集「うなゐのとも」を刊行。大正2年7月16日死去。63歳。江戸出身。通称は仁兵衛。

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世界大百科事典(旧版)内の清水晴風の言及

【郷土玩具】より

…ところがこれとは逆に,日本古来のこの種の玩具にかえって郷愁と魅力とを感じとる趣味人,好事家たちの間には,これまでの子どもに代わって,今度は成人の趣味玩具としてこれらを収集,愛玩する機運が生じてきた。それを推進する指導的立場にあったのが東京神田の玩具研究家清水晴風(仁兵衛)である。彼は全国各地に散在するこの種の伝承玩具人形類を採集してそれらを描いた画集《うなゐの友》を1891年に発行し,1913年まで6編を刊行した。…

※「清水晴風」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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