(読み)ヒョウ

デジタル大辞泉 「漂」の意味・読み・例文・類語

ひょう【漂】[漢字項目]

常用漢字] [音]ヒョウ(ヘウ)(呉)(漢) [訓]ただよう
水面にふわふわと浮かぶ。ただよう。「漂失漂着漂泊漂流浮漂
水や薬品でさらす。「漂白

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「漂」の意味・読み・例文・類語

ただよわただよはし【漂】

  1. 〘 形容詞シク活用 〙 ( 動詞「ただよう」の形容詞化した語 ) ただよっているようである。しっかりと定まらない。落ち着かない。たよりなさそうである。
    1. [初出の実例]「ただ、心の筋を、ただよはしからず、もてしづめおきて」(出典:源氏物語(1001‐14頃)玉鬘)

漂の派生語

ただよわし‐げ
  1. 〘 形容動詞ナリ活用 〙

漂の派生語

ただよわし‐さ
  1. 〘 名詞 〙

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

普及版 字通 「漂」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 14画

[字音] ヒョウ(ヘウ)
[字訓] ただよう・うごく・かるい・あらう

[説文解字]

[字形] 形声
正字は(ひよう)に従い、声。は屍(しかばね)を焚(や)く象。その強い火勢で、ものが挙浮動することをいう。火勢によるものを(ひよう)といい、水に揺(とうよう)することを漂という。〔説文〕十一上に「ぶなり」とするが、(浮)・泛・氾はみな屍体が流れただよう象であり、漂もそのような状態で浮流する意であろう。漂流することから漂泊・漂零の意となり、また漂白のように洗う意となる。

[訓義]
1. ただよう、うく、うきながれる、さすらう。
2. うごく、ながれる。
3. かるい、はやい。
4. あらう、水にあらう、しろくなる。

[古辞書の訓]
名義抄〕漂 ウカブ・タダヨフ・オボボル・ナガス・キヨシ・ウカス・サムシ 〔字鏡集〕漂 シホホル・タダヨフ・ウカブ・ウカス・ナガス・ホロブ・オボルル・キヨシ・サムシ

[語系]
漂・飄・嫖・剽phiは同声。みな票piの声義を承け、強い力によって浮動する意をもつ語である。biuも声義が近い。

[熟語]
漂曳漂泳・漂害・漂・漂寄漂寓・漂激漂霰・漂児漂疾漂杵・漂女・漂浸・漂石・漂説漂旋・漂然・漂・漂・漂動・漂泊・漂白・漂漂漂渺・漂布・漂沸・漂・漂母漂没漂沫漂游漂漾漂揺・漂落・漂流漂淪・漂零漂櫓漂浪
[下接語]
軽漂・激漂・水漂・清漂・波漂・浮漂・鳧漂・風漂・焚漂・漂・流漂・瀏漂

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

今日のキーワード

仕事納

〘 名詞 〙 年の暮れに、その年の仕事を終えること。また、その日。《 季語・冬 》[初出の実例]「けふは大晦日(つごもり)一年中の仕事納(オサ)め」(出典:浄瑠璃・新版歌祭文(お染久松)(1780)油...

仕事納の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android