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出典 株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について 情報
水中作業を行うダイバーが、冷水による体温の喪失や外傷などを防ぐために装着する服。潜水服は、服の素材などの保温力によって体温の喪失を防ぐ保温服(ウェットスーツ、ドライスーツ)と、温水や電熱線によってダイバーを積極的に加温する加温服(温水式加温服、電気式加温服)とがある。
ウェットスーツは肌がぬれる湿式で、独立気泡を含んだクロロプレン生地(きじ)で仕立てられ、この生地の保温力で体熱損失を防いでいる。しかし、潜るにしたがって増加する水圧により生地内の気泡が縮小するため、薄くなって保温力が低下する。また、体積も少なくなるので、浮力が少なくなってしまう欠点があるが、海女(あま)やレジャーを目的とするダイバーなどに広く使われている。ドライスーツは肌がぬれない乾式で、服内の空気の保温力で体熱損失を防いでいる。したがって、服内に空気層を確保するための厚地毛織物の下着を着る。しかしダイバーが水中で立つと、肩と足では0.1kg/cm2の圧力差が生じるので、空気が胸から上にたまり、腰から下は空気層が薄くなってスクイーズ(締め付け)ぎみになる欠点がある。ヘルメット潜水器のドレスはドライスーツの代表的なもので、ゴム引き布でつくられ、下着を着るとウェットスーツよりも保温力が高く、長時間の冷水作業にも耐えられる。また、スキューバダイビング(スクーバ潜水)のドライスーツとして、ボンベのガスを服内に注入し水圧の増加に対処する定容量ドライスーツがある。とくにウェットスーツ生地でつくられたものは保温力に優れ、南極など氷の下での潜水にも実績がある。
加温服は深海潜水に使われる潜水服で、ヘリウムガスを使用する温水式加温服は、背中、胸、手、足に穴をあけたチューブを配管したウェットスーツに海水を温めて常時送水し、服内を35~40℃に温めているもので、深海潜水で広く使われている。これに対し電気式加温服は、電気毛布のように電熱線を身体各部に配線した電熱下着に通電して加温するもので、潜水船から出て作業するダイバーが使用する。
なお、以上の潜水服とは異なる耐圧潜水服がある。硬式潜水器とよばれているもので、金属性の潜水服は大深度の耐圧能力があり、手・足の関節部は自由に曲げることができ、人間が中に入って大気圧状態で長時間潜水作業ができる。腕や脚部の関節部分は宇宙服の最新技術が採用され、水深600メートルまで潜水できる耐圧潜水服システムは米海軍で潜水艦の救助システムの一つとして配備されている。
[山田 稔]
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
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