水中で呼吸のできる機械スキューバを用いた潜水のこと。スキューバははじめは軍事目的,水中の捜索,学術研究のために使われた。スキューバを駆使して撮影したフランスの記録映画《青い大陸》は,日本にも紹介され,海中の景観の魅力を多くの人々に印象づけた。スキューバを用いたスポーツとしての潜水は,第2次世界大戦後アメリカ,ヨーロッパを中心にしだいに盛んになった。それは,潜水技術をもった軍人が退役して,潜水指導者となったことも一助となった。1952年ごろ日本にはじめて紹介されたときは,大戦中に敷設された機雷処理のためであったが,その後は海洋科学の研究のために,さらに60年代以降は,海洋レジャーの発展とともに,スポーツとしてのダイビング愛好者が急増した。それに伴い全日本潜水連盟をはじめとする潜水指導の団体がいくつも結成されて,スキューバダイビングの技術を教え,各団体ごとに初心者講習会を受けた人に認定証を発行するようになった。その取得者は,1996年末までの累計で73万人(発行団体は約40)に上っている。スキューバダイビングは,日本人のレジャー,レクリエーションの場を沿岸の海中にまで広げたが,一方で,ダイバーが貝類やエビ,カニなどをとることが大きな問題となり,漁業権の侵害としてダイバーを拒否する漁業組合も現れた。ダイバーの事故の問題とともに,漁業権の尊重ということも十分に配慮を要する課題である。
→スキンダイビング
執筆者:薗田 碩哉
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(吉田章 筑波大学教授 / 2007年)
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