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深海潜水 しんかいせんすいdeep-sea diving

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

深海潜水
しんかいせんすい
deep-sea diving

深海に潜水すること。 1950年代以後深海観測用の潜水艇が考案され,深海の知識が急速に増加した。潜水艇はバチスカーフ Bathyscapheと呼ばれ,フランス海軍の『バチスカーフ  FNRS3』,アメリカ海軍の『トリエステ2世』が著名。いずれもスイスの物理学者で深海高空探検家 A.ピカールが考案したもの。 58年に『バチスカーフ  FNRS3』は日本海溝を調査した。 60年には『トリエステ2世』は世界最深部といわれるマリアナ海溝で1万 916mの深さまで潜水した。従来の予想に反して,この超深海底に長さ 30cm,幅 15cmのヒラメの一種が発見された。深海潜水によって,深海にはゆっくり降り注ぐマリンスノーがあり,海底には発光する生物がおり,3000m以上の深海でも,毎秒数 cmの深海底層流のあることがわかるなど,深海潜水は多くの新しい知見をもたらした。しかし,これらのバチスカーフは浮力材として比重の大きいガソリンを利用しているので,取扱いが不便なうえに,船体が大きく,推進力が小さいため海底での行動が自由にならず水中エレベータといわれている。 60年代末からは耐圧殻を極力小さく軽くして,必要な浮力は固体の浮力材を利用することによって,コンパクトで機動性に富んだ『アルビン』 (1964年に建造) 方式が主流となってきた。アメリカ軍の深海調査船 DSRVは海岸の大半を制しうる 6100mの使用深度をもち,最大速力は5ノット,航続力は3ノットで 30時間である。日本の深海調査船としては 2000m潜航できる『しんかい 2000』 (81年に建造) と『しんかい 6500』 (89年) がある。また,日仏共同の KAIKO (海溝) 計画で 85年から活躍したフランス海洋開発機構の『ノチール』は,使用深度 6000m,連続潜航時間 120時間であった。

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