火屋(読み)ホヤ

デジタル大辞泉 「火屋」の意味・読み・例文・類語

ほ‐や【火屋/火舎】

ランプガス灯などの火をおおうガラス製の筒。「―がすすける」
香炉や手あぶりなどの上をおおうふた。
火葬場
「もう此方も追付け―へ行く体」〈浄・廿四孝

ひ‐や【火屋】

火葬場。焼き場。
「かはらやに―といふものつくるを見て」〈和泉式部集・上・詞書

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精選版 日本国語大辞典 「火屋」の意味・読み・例文・類語

ひ‐や【火屋】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 火葬場。やきば荼毘(だび)所。
    1. [初出の実例]「あはれこの月こそ曇れ昼見つるひやの煙は今や立つらん」(出典:和泉式部集(11C中)上)
  3. 静岡県などで、埋葬した上にのせておく供物その他を入れる小屋形のもの。霊屋(たまや)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「火屋」の意味・わかりやすい解説

火屋
ほや

香炉や手あぶりなどの上を覆う蓋(ふた)。火舎とも書く。その形が屋舎状であるところからの名で、香炉そのものの俗称としても用いられる。転じてヨーロッパ伝来のランプやガス灯などの、炎を覆うガラス製の筒をいうほか、方言として電球をいう場合もあり、近世には「火焚(た)き屋」の意から火葬場の異称としても用いられた。なお、ランプの火屋は煤(すす)がついて黒く汚れやすく、しばしば掃除をしなければならなかったが、筒の口が細いため、その仕事は手の小さな子供の役目であった。

[宇田敏彦]

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