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無料低額宿泊所 ムリョウテイガクシュクハクジョ

デジタル大辞泉の解説

むりょうていがく‐しゅくはくじょ〔ムレウテイガク‐〕【無料低額宿泊所】

社会福祉法規定に基づいて、生計困難者に無料または低額で提供される宿泊施設。同法で定める第2種社会福祉事業に該当し、運営に際しては都道府県知事届出が必要。
[補説]厚生労働省は、事業者に居住環境の整備や利用者の自立支援を求めているが、一部の施設で、利用者の生活保護費を不当に徴収していることが発覚するなど、貧困ビジネスの一つとして問題視されている。

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朝日新聞掲載「キーワード」の解説

無料低額宿泊所

社会福祉法に基づき、路上生活者らの自立支援などを目的に設置される。多くの入所者は家賃や食費などを支払い、一時的に滞在する。知事などへの届け出で開設できるが、業者が「法の定義に該当しない」などとして、無届けの施設も多い。入所に至る経緯は、業者が路上生活者に声をかけるほか、自治体側が生活保護申請者に業者を紹介する例もある。施設は受給者が急増した2000年代初めから増え始めたとされる。

(2013-06-25 朝日新聞 朝刊 3社会)

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

無料低額宿泊所
むりょうていがくしゅくはくじょ

「生計困難者」が自立生活できるように、無料または低料金で提供される宿泊施設。社会福祉法に基づき、都道府県知事への届け出だけで個人や任意団体が容易に設立できるため、東京など都市部を中心に設立されている。2009年(平成21)から2010年にかけて、路上生活者(ホームレス)に生活保護申請させたうえで無料低額宿泊所への入所をあっせんし、施設利用料などの名目で生活保護費のほとんどを搾取する「貧困ビジネス」が社会問題化した。
 厚生労働省の調査では、2009年時点で全国に届け出済みの無料低額宿泊所は439施設、入居者数は1万4089人に上り、この9割が生活保護受給者であった。無届け施設も1437あり、生活保護受給者1万2587人が入居していた。厚生労働省は宿泊所運営者に入所者の自立支援などを指針で求めているが、指針にすぎないのでほとんど守られておらず、逆に入所者の生活保護費を搾取し、自立を妨げている事例もある。社会問題化して以降、入所者が宿泊所運営団体を告発する例が相次いだが、宿泊所設置の許可制導入や実効性ある監査の徹底など十分な法規制が必要といった意見が出ている。[編集部]

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