生活困窮者に無料か低額で一時的な居場所を提供する施設。厚生労働省によると、2018年7月の調査では施設が570カ所、利用者が約1万7千人。利用者の9割が生活保護を受給し、さらに4割は65歳以上、6割は1年以上利用しており、生活が苦しく行き場のない高齢者の「ついのすみか」となりつつある。悪質な事業者が生活保護費から高額料金を取る「貧困ビジネス」が存在し、国は最低基準を設けるなど規制を強化している。
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出典 共同通信社 共同通信ニュース用語解説共同通信ニュース用語解説について 情報
「生計困難者」が自立生活できるように、無料または低料金で提供される宿泊施設。社会福祉法に基づき、都道府県知事への届け出だけで個人や任意団体が容易に設立できるため、東京など都市部を中心に設立されている。2009年(平成21)から2010年にかけて、路上生活者(ホームレス)に生活保護申請させたうえで無料低額宿泊所への入所をあっせんし、施設利用料などの名目で生活保護費のほとんどを搾取する「貧困ビジネス」が社会問題化した。
厚生労働省の調査では、2015年時点で全国に届け出済みの無料低額宿泊所は537施設、入居者数は1万5600人に上り、この9割が生活保護受給者であった。無届け施設も1236あり、生活保護受給者1万6578人が入居していた。厚生労働省は宿泊所運営者に入所者の自立支援などを指針で求めているが、指針にすぎないのでほとんど守られておらず、逆に入所者の生活保護費を搾取し、自立を妨げている事例もある。社会問題化して以降、入所者が宿泊所運営団体を告発する例が相次いだが、宿泊所設置の許可制導入や実効性ある監査の徹底など十分な法規制が必要といった意見が出ている。
[編集部 2017年9月19日]
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