日本大百科全書(ニッポニカ) 「無水アルコール」の意味・わかりやすい解説
無水アルコール
むすいあるこーる
absolute alcohol
水を含まないエタノール(エチルアルコール)をいう。無水酒精ともよばれる。濃度が95%程度のエタノールを脱水して製造する。脱水の方法としては、脱水剤による方法と蒸留による方法がある。脱水剤としては、酢酸ナトリウムと酢酸カリウムの混合融解物、酸化カルシウム(生石灰)などが用いられる。蒸留による方法としては、ベンゼンあるいはトリクロロエチレンを加えて共沸混合物として水を除く方法と、水と共沸混合物をつくらない70トル≒93.3ヘクトパスカル(1トルは約1.33ヘクトパスカル)以下に減圧して蒸留する方法とが知られている。写真感光材料やエステル類、アセチルセルロースの製造、医薬品や香料の製造に使われる。
[廣田 穰 2016年11月18日]
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