デジタル大辞泉 「有頂天」の意味・読み・例文・類語
うちょう‐てん〔ウチヤウ‐〕【有頂天】
1
2 色界の上にある無色界の中で、最上天である
[名・形動]
1 得意の絶頂であること。また、そのさま。大得意。「試験に合格して
2 物事に熱中して夢中になること。また、そのさま。
「忠兵衛気も―」〈浄・冥途の飛脚〉
[類語]歓喜・狂喜・驚喜・
出典 故事成語を知る辞典故事成語を知る辞典について 情報
サンスクリット語ではババーグラbhavāgraといい、仏教世界観で仏界を除く最高位の世界。三界(さんがい)(欲界、色界(しきかい)、無色界)の最高位にある非想非非想処天(ひそうひひそうしょてん)のこと。三界は有(う)ともよばれるので、その頂上にあるこの天が有頂天とよばれ、修行を究めた人がこの天に昇ることができるとされる。鳩摩羅什(くまらじゅう)訳『法華経(ほけきょう)』序品(じょぼん)では、三界中の色界の最高位である色究竟天(しきくきょうてん)が有頂天とされている。なお、極度の喜びを表す「有頂天になる」という表現はこの仏教語に由来し、この場合は天は天神の意味であるので、「天になる」と表現される。
[定方 晟]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…欲界,色界,無色界を合わせて三界と呼ぶ。〈有頂天〉は〈有の世界の最高の場所〉の意であるが,これを非想非非想処のこととする伝承と,色究竟天のこととする伝承とがある。三界を超越したところに仏界がある。…
…五蘊(ごうん)(色,受,想,行,識)のうち色をもたず,受,想,行,識という精神的要素のみからなる生物,欲望と物質のいずれをも超克した生物のすむ領域で,禅定の深さによって4段階に分けられる。この4段階の最高処〈非想非非想処天〉を〈有頂(うちよう)天〉という。漢訳法華経では色界の最高処〈色究竟天〉が〈有頂天〉とされている。…
※「有頂天」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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