放射伝熱(読み)ホウシャデンネツ

デジタル大辞泉 「放射伝熱」の意味・読み・例文・類語

ほうしゃ‐でんねつ〔ハウシヤ‐〕【放射伝熱】

熱放射

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

化学辞典 第2版 「放射伝熱」の解説

放射伝熱
ホウシャデンネツ
radiation heat transfer, radiant heat transfer

ふく射伝熱ともいう.高温固体表面から発散される熱放射線による熱伝達のこと.伝導対流とともに熱伝達の三形態の一つである.可視光線から遠赤外線までの波長領域をもつ熱線は直進する性質があり,途中にしゃへい物があると吸収されることも光線と同様である.単位面積当たりの放射伝熱量Q J m-2 h-1 は,その表面の絶対温度Tの4乗に比例し,

Q = 20.4 × ε (T/100)4

で表される.ここで,εは固体の表面の種類,状態による係数(放射係数:黒度)で,完全黒体では1.0,耐火物壁では0.6~0.9,研磨したアルミ面では0.04~0.06程度の値である.二酸化炭素,水蒸気炭化水素などのガス体も,高温度では,低温度で吸収した波長域の赤外線,熱線を逆に放射するようになる.その放射熱量は,ガスの種類,分圧だけでなく,ガスの体積や有効厚さ,温度などによっても変化する.[別用語参照]熱放射

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「放射伝熱」の意味・わかりやすい解説

放射伝熱
ほうしゃでんねつ
radiant heat transfer

輻射伝熱ともいう。温度差がある2物体が互いに離れているとき,その表面間の放射によるエネルギーの交換をいう。この結果,高温の物体の温度が下がり,低温の物体の温度が上昇する。シュテファン=ボルツマンの法則によると,放射エネルギーは絶対温度の4乗に比例するから,これが高温物体からの熱の発散の主原因となる。太陽熱はこの例である。

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栄養・生化学辞典 「放射伝熱」の解説

放射伝熱

 輻射伝熱ともいう.ある物体から熱が電磁波の形で放射されて他の物質に伝わる現象

出典 朝倉書店栄養・生化学辞典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の放射伝熱の言及

【伝熱】より

…また熱という概念は,熱力学の第1法則が示すようにエネルギーの一形態であり,温度の高低のみによって移動する物理量である。 熱の移動の基本形態は,熱伝導と熱放射であり,そのときの熱の移動にとくに注目するとき,それぞれ伝導伝熱,放射伝熱という。 (1)熱伝導は,液体,気体,固体をとわず発生する熱エネルギーの移動形態である。…

※「放射伝熱」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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