熱間加工(読み)ネッカンカコウ

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化学辞典 第2版 「熱間加工」の解説

熱間加工
ネツカンカコウ
hot working

高温加工ともいう.金属材料にその再結晶温度以上で圧延,鍛造,線引き,押出しなどの塑性変形を与えて所要の形をつくる作業をいう.金属は一般に温度をあげると変形抵抗は減少し,割れを起こさずに変形しうる変形最大量が増す.これに加えて再結晶により,素地は急速に加工前の状態に回復するので,高い変形速度で加工できる.すなわち,小さな容量の加工機械で高速に塑性加工できるので加工能率は高い.熱間加工の欠点は仕上がり表面が悪く,また仕上がり精度冷間加工材に比較して劣る点である.原則的には熱間加工は再結晶温度以上での塑性加工であるが,単に常温以上での塑性加工をいう場合もある.また再結晶温度が常温以下の鉛,亜鉛などの常温での塑性加工も熱間加工である.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

百科事典マイペディア 「熱間加工」の意味・わかりやすい解説

熱間加工【ねっかんかこう】

圧延,鍛造,押出しなど金属の塑性加工を再結晶温度以上で行うこと。冷間加工の対。金属は加工と同時に再結晶して軟化し,加工硬化が残らない。通常の実用金属では数百℃以上で行われるが,再結晶温度の低い鉛などでは常温での加工も熱間加工である。

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