線引き(読み)せんびき(英語表記)wire drawing

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

線引き
せんびき
wire drawing

金属線材ダイスを通して引抜いて線に仕上げる方法。抽線ともいう。仕上げ寸法形状を正確にするためダイスは硬質で靭性があり,摩耗に強いことを要し,以前はチルド鋳物なども使われたが,現在は特殊なダイス鋼超硬合金,ダイヤモンドの使用が増している。強加工で摩擦発熱が大きいから,線材はあらかじめ酸洗いと中和で表面を清浄にして,ダイスへ入れる前に石灰石鹸液,油脂などの潤滑剤の中を通す。リン酸皮膜をつけることもある (→パーカライジング ) 。伸線中必要ならば中間熱処理またはパテンティング処理を施し,数回のダイス通過で線径を細くする。近来は連続的にダイスを通す連続式が多くなった。仕上げダイスのときは石鹸油剤を注ぐ湿式線引きとする。1回のダイスによる断面縮小率は普通鋼材で 15~30%,伸線速度毎分 50~600mである。大径の線引きでは熱間加工のこともあり,近年はローラを用いる熱間連続圧延伸線方式が増加している。小径の線に対する冷間ローラ・ダイス伸線もある。

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デジタル大辞泉の解説

せん‐びき【線引き】

[名](スル)
線を引くこと。
計画・予定などを図面・グラフ上に線を引いて表すこと。「都市再開発の線引きが遅滞する」
日限・数量などを区切ること。また、物事の境界を決めて分けること。「合格者を5人までと線引きする」「公私の線引きを図る」
ダイスを使って線材を引き抜き、直径を細くして長さを伸ばす加工法。
都市計画において、都市計画区域市街化区域市街化調整区域とに区分すること。法律上は「区域区分」という。→非線引き区域

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

線引き
せんびき
wire drawing

線材(針金、ワイヤ)の直径を細くし長さを伸ばす金属加工の一種で、伸線加工ともいう。電線の加工が代表的である。この加工に用いられる工具はダイスとよばれ、厚い円板の中央にあけた円錐(えんすい)形の小穴を通して針金を引き抜くことによって細くする。人間が動力の利用を知る以前はカシの板にあけた小穴を通して人力で引き抜いたという記録もあるが、現代の線引き機械では、ダイスを通した針金をドラムとよばれる巻き胴に巻き付けておき、このドラムを回転させることによって針金に引張り力を加え、連続的に引抜きが行えるような構造になっている。線材の直径は大は10ミリメートルから小は0.01ミリメートルと広範囲にわたっている。1回の引抜きで達成できる直径減少には限度があるので、所定の線径にするには数回から20数回の繰り返し引抜きを行う。引抜き速度は銅線の場合、毎分2000メートルにも及ぶ。

[高橋裕男]

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