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塑性加工(読み)そせいかこう(英語表記)plastic working

知恵蔵の解説

塑性加工

物質に力を加えて塑性変形させ、各種形状に加工する方法。常温で行う冷間(れいかん)加工は寸法精度が高い。熱間(ねつかん)加工は大型品や粗加工に用いる。圧縮力主体の変形では、2個のロールを用いる圧延(あつえん)加工、工具で押し潰す鍛造(たんぞう)加工、ダイスを用いる押出(おしだし)加工がある。引抜(ひきぬき)加工では、引っ張り力を用いて細線材を作る。パイプを作る回転加工、しわを作らずに板を成形するプレス加工などもある。

(岡田益男 東北大学教授 / 2007年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

百科事典マイペディアの解説

塑性加工【そせいかこう】

材料の塑性を利用して変形させる加工法。金属の塑性加工には熱間加工冷間加工があり,圧延,鍛造,押出加工引抜加工などの一次加工とプレス加工などの二次加工を総称していう。現在では粉末冶金ダイカスト,レオカストなど鋳物とプレス成形の中間的な方法も実用化されている。
→関連項目加工硬化塑性鍛造熱間加工

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世界大百科事典 第2版の解説

そせいかこう【塑性加工 technology of plasticity】

物体の塑性を利用して,素材から製品を製造する加工法。金属の加工に関して古くから用いられ,発展してきた方法で,この項では金属の塑性加工について述べる。プラスチックについては〈プラスチック成形加工〉の項を参照されたい。 塑性加工という名称は比較的新しく,第2次大戦以後用いられるようになったものである。それ以前は,冶金の一部の製造冶金とか,機械工作とか呼ばれている分野の中におかれていた。鍛造圧延押出加工引抜加工など主として素材の製造の一次加工と,プレス加工などの二次加工とを総称して塑性加工というようになった。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

塑性加工
そせいかこう

一般に固体物体に力を加えて変形させるとき、力が小さいうちはその力を取り除くと物体の形は元に戻る。固体のもつこの性質は弾性とよばれる。力をしだいに大きくしていくと、ついには力を取り除いても物体の形は元に戻らなくなる。すなわち塑性変形する。固体のもつこの性質が塑性であり、塑性を利用して材料を所定の形状、寸法の製品に成形する手段を塑性加工という。日常生活で目に触れる金属製品のきわめて多くのものが塑性加工の工程を経て製品となっており、この加工は金属加工の重要な分野を占める。塑性加工には圧延、押出し、鍛造、引抜き、剪断(せんだん)、プレス加工、矯正とよばれる各種の加工法があり、それぞれの加工名を冠した機械装置によって加工が行われる。圧延、押出しおよび鍛造は高温に加熱した状態でも、また室温でも行われるが、その他は主として室温で行われる。金属材料は塑性加工によって強度その他の性質が改善される。加工熱処理とよばれ、加熱温度と塑性加工をうまく組み合わせることによって一段と製品強度を高める方法も開発されている。塑性加工は同一形状・寸法の品物の多量生産に適した手段であり、機械装置および使用工具の高精度化によって高精度の製品を能率よく生産する方向に発展してきた。とくに圧延加工においては自動制御技術の導入が著しい成果をあげてきた。製品の形状によっては切削加工でつくれるものもあるが、塑性加工は削り屑(くず)を出さない加工なので材料の有効利用の点で切削加工より有利である。しかし、製品精度の点では切削に劣る。一方、板、管、線材のように塑性加工でなければつくれないものもあるが、たとえば管が圧延によっても押出しによってもつくれるように、同じ品物を別種の塑性加工でつくれる場合も多い。近時、用途の多様化で多品種少量生産の要求が塑性加工の分野においても強まってきており、これに即応できるようコンピュータを導入し、ロボットを活用する自動化技術が圧延以外の分野にも取り入れられて成果をあげ、省力化の実もあがっている。塑性加工は金属に対してのみでなく、プラスチックや金属と非金属との複合材料に対しても行われている。土や岩石の変形は学問的には塑性変形として取り扱われるが、粘土や陶土の成形は塑性加工とはいわない。[高橋裕男]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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