ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「牧二郎」の意味・わかりやすい解説
牧二郎
まきじろう
[没]2005.5.31. 京都
理論物理学者。朝永振一郎,湯川秀樹に次ぐ素粒子理論の先駆者としてクォーク,ニュートリノ研究で先駆的な成果を残した。1949年東京文理科大学に入学,朝永の薫陶を受け中間結合理論を協同で研究したのち,1955年名古屋大学の坂田昌一研究室に入り,1961年同大学助教授となる。ここで素粒子の「坂田モデル」を拡張し,クォーク模型にさきがけて四つの基本粒子を設定するモデルを提唱した。1962年坂田,中川昌美とニュートリノ振動の可能性を指摘,1998年にこの理論が実験的に検証された。1967年京都大学基礎物理学研究所教授,1970年に同研究所 2代目所長に就任。ノーベル賞候補にあがった。1977年仁科記念賞,2002年素粒子メダルを受賞。(→素粒子物理学)
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