牧二郎(読み)まきじろう

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「牧二郎」の意味・わかりやすい解説

牧二郎
まきじろう

[生]1929.1.10. 東京,東京
[没]2005.5.31. 京都
理論物理学者朝永振一郎湯川秀樹に次ぐ素粒子理論の先駆者としてクォークニュートリノ研究で先駆的な成果を残した。1949年東京文理科大学に入学,朝永の薫陶を受け中間結合理論を協同で研究したのち,1955年名古屋大学の坂田昌一研究室に入り,1961年同大学助教授となる。ここで素粒子の「坂田モデル」を拡張し,クォーク模型にさきがけて四つの基本粒子を設定するモデルを提唱した。1962年坂田,中川昌美とニュートリノ振動の可能性を指摘,1998年にこの理論が実験的に検証された。1967年京都大学基礎物理学研究所教授,1970年に同研究所 2代目所長に就任。ノーベル賞候補にあがった。1977年仁科記念賞,2002年素粒子メダルを受賞。(→素粒子物理学

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「牧二郎」の解説

牧二郎 まき-じろう

1929-2005 昭和後期-平成時代の物理学者。
昭和4年1月10日生まれ。東京文理大で朝永振一郎にまなぶ。名大助教授をへて,昭和43年京大教授。京大基礎物理学研究所所長,日本物理学会会長などをつとめる。専門は素粒子理論で,「ニュートリノ振動」や「四元クォーク模型」で先駆的な業績をのこし,ノーベル賞候補になった。平成17年5月31日死去。76歳。東京出身。

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