ニュートリノには,νe,νμ,ντ の3種類があるが,ニュートリノに質量があるとき,種類の違うニュートリノの質量固有状態の混在から,その間の変換にみられる量子力学的振動現象をいう.太陽から飛来するニュートリノ数が理論値より大幅に低いことから,この現象が原因として推測された.1998年,スーパーカミオカンデで宇宙線起源の大気ニュートリノ中の νμ が ντ に変化(振動)していることを観測,ついで2001年に,太陽ニュートリノについても,νe が νμ,ντ に変化していることをスーパーカミオカンデとカナダのSNO観測所の測定から確認した.2000年に開始した,茨城県つくば市の高エネルギー加速器研究機構の陽子加速器を用いて発生させた νμ を,250 km 離れたスーパーカミオカンデに向かって打ち出して観測するK2K実験でも,νμ の振動が観測された.さらに,同じ神岡鉱山に設置されたカムランド(KamLAND)検出装置で,発電用原子炉からの反 νe の振動が確認され,この現象が実際に起こっていることと,ニュートリノに質量のあることは疑いのない事実となった.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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