特定商品預託法(読み)トクテイショウヒンヨタクホウ

デジタル大辞泉 「特定商品預託法」の意味・読み・例文・類語

とくていしょうひんよたく‐ほう〔トクテイシヤウヒンヨタクハフ〕【特定商品預託法】

《「特定商品等の預託等取引契約に関する法律」の略称》特定の商品や施設利用権利を一定期間預かり、利子など利益を供与する預託等取引契約を規制する法律。現物まがい商法による被害防止目的。昭和61年(1986)制定預託法

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「特定商品預託法」の意味・わかりやすい解説

特定商品預託法
とくていしょうひんよたくほう

消費者保護を目的に1986年(昭和61)に施行された法律。正式名は「特定商品等の預託等取引契約に関する法律」(昭和61年法律第62号)。金の地金を用いた現物まがい商法による詐欺事件「豊田商事事件」を契機に制定された法律で、貴金属、ゴルフ場会員権・ヨットハーバーなどの施設利用権、和牛を含む家畜類など特定の商品を3か月以上預かって利子などを支払う、または一定期間(3か月以上)後の買い取りを条件とした消費者契約について、契約内容を記した書面の交付義務、契約解除(クーリング・オフ)の規定などを定めた。投資家に対し事実と異なる説明で勧誘した場合には、2年以下の懲役または100万円以下の罰金が課される。2011年(平成23)8月に経営破綻(はたん)し、2013年6月に経営者が特定商品預託法違反容疑で逮捕された栃木県那須塩原(なすしおばら)市の安愚楽(あぐら)牧場が集めた出資金のうち、返済されていない被害額は約4200億円におよぶ。被害額としては豊田商事事件の約2000億円を抜き過去最悪を更新した。

[編集部]

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